ハイブリッドクラウドの課題とはメインビジュアル

本記事のポイント

    • ハイブリッドクラウドの課題には「ガバナンス」「コスト」「システム全体像」「運用の複雑化」がある
    • 「戦略」「組織」「設計」の3つの壁で整理することが、全社最適化に向けた第一歩となる
    • 複雑化した環境を立て直すには、外部パートナーの力も重要

ハイブリッドクラウドを推進するうえで出てくる課題の背景は、企業ごとに異なるように見えて、実は共通するパターンがあります。弊社(双日テックイノベーション)は、これまでの支援実績をもとに多くの企業が直面する課題を分析し、その背景を「3つの壁」として整理しました。

ぜひ本ブログを参考に、自社に当てはまるものがないかチェックしてみてください!

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1.企業が直面するハイブリッドクラウドの課題とは?


“環境の複雑化に伴うさまざまな課題がある”
ハイブリッドクラウドは、今や多くの企業にとって当たり前のIT基盤になりました。ところが、現場主導でクラウドの導入が進んだ結果、全社視点で見ると思わぬリスクが各所に潜んでいる…そんなケースが後を絶ちません。

 

課題① ガバナンス崩壊(野良クラウドの増加)

最も深刻な課題の1つが、「野良クラウド(シャドーIT)」の増加です。事業部門が独自にクラウドを契約・運用することで、IT部門の統制が及ばない領域が広がっていきます。その結果、全社的なセキュリティポリシーが形骸化し、リスクが見えないまま蓄積されていきます。

例えば以下のような状態は、情報漏えいやコンプライアンス違反に直結しかねません。

    • どこに機密データが保存されているのか分からない
    • アクセス権限が適切に管理されていない

分散したクラウド利用を「見える化」し、再統制する仕組みづくりは、もはや避けて通れないテーマです。

課題② コストのブラックボックス化

ハイブリッド環境では、ITコストの全体像が非常に見えにくくなります。クラウドは従量課金、オンプレミスは固定費など、異なるコスト構造が混在することで、「結局いくらかかっているのか」が分からなくなりがちです。

  • データ転送料
  • 想定外のスケールアップ
  • 利用状況の未把握

特に上記の項目は、気づかないうちにコストが膨らむケースも少なくありません。ROIを正しく把握できない状態では、適切な投資判断も難しくなります。コストの可視化は経理の問題だけでなく、経営判断そのものに影響する課題です。

課題③ システム全体を把握できていない

オンプレミスと複数のクラウドにシステムが分散することで、IT基盤の全体像が見えなくなっていきます。

  • どのシステムがどこと連携しているのか
  • どのデータがどこにあるのか
  • 障害が起きた場合の影響範囲はどこか

こうした基本的な情報がすぐに把握できない状態は、運用リスクを大きく高めます。特に障害時には、原因特定や復旧が遅れ、ビジネスへの影響が拡大する恐れがあります。分散した環境を一元的に把握できる状態をつくることが、安定運用の前提です。

課題④ 運用の複雑化(人材・スキル問題)

ハイブリッド環境の運用には、高度で幅広いスキルが求められます。オンプレミスのレガシー技術と、クラウドの最新技術の両方を理解し、全体を俯瞰できる人材は決して多くありません。人材・スキル不足は以下のような問題が起こりやすくなります。

  • 特定の担当者への依存
  • 運用の属人化
  • ヒューマンエラーの増加

人材不足を前提とした運用設計も考慮し、自動化や外部パートナーの活用を含めた体制づくりが求められています。

 

2.なぜ課題を解決できないのか?「3つの壁」とその正体


“自社チェックリストで確認してみましょう!”
ハイブリッドクラウド環境の課題を解決できない背景には、多くの企業に共通する「3つの壁」があります。自社に当てはまるものがないかチェック項目にて確認してみてください。

ハイブリッドクラウドの3つの壁

① 戦略レベルの壁

1つ目の壁は、「何をクラウドにして、何をオンプレに残すのか」などの判断基準が、会社として明確になっていないことです。本来、ハイブリッドクラウドは経営戦略や事業計画と連動して設計されるべきものです。判断基準がないままプロジェクトを進めると、システムごとに異なる方針が採用され、結果として全体最適とは程遠い構成になってしまいます。

次のような状況に心当たりはありませんか?

自社チェックリスト ✓ 

□ クラウド活用の方針が部門ごとに異なっている
□ 製品の選定が先行し、全体構想が後回しになっている
□ 「なぜその構成なのか」を経営層に説明できない

 

②組織レベルの課題

2つ目の壁は、全社横断でプロジェクトを推進する体制が整っていないことです。他部門を巻き込みながら推進する体制や意思決定プロセスが整っていないことで、プロジェクトが停滞するケースも少なくありません。

次のような状況に心当たりはありませんか?

自社チェックリスト ✓ 

□ PoC(トライアル)までは進むものの、全社展開につながらない
□ 部門間の利害調整に時間がかかり、前に進まない
□ 全社視点で意思決定できる責任者や組織がない

 

③ 設計レベルの壁

3つ目の壁は、ハイブリッドクラウドの設計そのものが複雑化していることです。そのため、目の前の課題だけでなく、将来の拡張性も見据えた設計が求められます。

次のような状況に心当たりはありませんか?

自社チェックリスト ✓ 

□ システムごとに異なるセキュリティポリシーや運用ルールが存在する
□ クラウドとオンプレミス間の連携方法が整理できていない
□ 将来の拡張や運用負荷を考慮した設計に不安がある

 

あなたの組織はいくつチェックが当てはまりましたか?

チェック項目に1つ以上該当する場合、ハイブリッドクラウドの推進を阻む「3つの壁」が存在する可能性があります。

しかし実際には、これら3つの壁が単独で発生することは少なく、複数が絡み合うことでハイブリッドクラウド環境の推進を難しくしています。そのため、まずは自社がどの課題を抱えているのかを整理することが重要です。

以下の資料では、3つの壁が発生する原因や企業が陥りやすい失敗パターンを整理するとともに、「ハイブリッドクラウド構想を描くための考え方」を図解付きで解説しています。
「自社の課題を客観的に把握したい」という方は、ぜひ資料をご活用ください。

 

💡STech I ワンポイントアドバイス

多くの失敗は、「設計だけが先行する」ことから始まります。戦略・組織・設計を往復しながら、整理することが重要です。

 

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3.ハイブリッドクラウドのベンダー・パートナー
選定のポイント


“外部パートナーの力を借りるのも手”
上記でご紹介したようにハイブリッドクラウド環境の課題を解決できない背景には、技術だけでなく戦略や組織など複数の原因が複雑に絡み合っています。このような環境を自社だけで最適化することが難しい場合には、全体最適の視点で伴走できるパートナーの力を借りるのも手です。ここでは、伴走してくれるベンダー・パートナーを選ぶ際のポイントを紹介します。

① 全社視点の構想設計ができること

単一システムの部分最適ではなく、IT基盤全体の「グランドデザイン」を描けるかどうかがポイントです。各環境の特性を理解した上で、セキュリティ・ガバナンス・コストの整合性を維持した全体像を提示できるパートナーと伴走してください。

② プロジェクトの「難所」を知る実践経験があること

最新技術を知っているのはもちろん大切ですが、それ以上に「過去のプロジェクトでどんな難所にぶつかり、どう乗り越えてきたか」という経験知が重要です。現場のトラブルや制約を見越したアドバイスができるパートナーがいれば、想定外の事態にも柔軟に対応できます。

③ 立場の異なるステークホルダーの“翻訳者”になれること

インフラ担当、業務アプリ担当、経営企画など、それぞれの立場では関心事も評価軸も違います。その間をつなぐ”翻訳者”として動いてくれるパートナーは、なかなか合意が取れない場面で大きな推進力を発揮してくれます。

④ 経営層を動かせる「根拠」を持っていること

プロジェクトを全社展開するには、経営層の承認が必要です。同業他社の実績や標準構成、ベストプラクティスを具体的に示し、リスク低減や投資対効果を客観的な数字で説明できるパートナーがいると、意思決定のスピードが変わります。

パートナー伴走

 

💡STech I ワンポイントアドバイス

ハイブリッドクラウドの課題は、個別システムの改善だけでは解決できません。構想設計から実装・運用まで一貫して支援できるパートナーを選ぶことで、PoC止まりを防ぎ、全社展開まで進めやすくなります。

例えば、AzureとHPE GreenLakeを適材適所で組み合わせ、オンプレミスの安定性とクラウドの俊敏性を両立させた大陽日酸様のような事例は、まさにこのアプローチの成果です。

 

 

4.まとめ
ハイブリッドクラウドの課題を整理しましょう


ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとクラウドのメリットを組み合わせられる一方で、環境の複雑化に伴うさまざまな課題も抱えやすくなります。本ブログでお伝えしたことを改めて整理します。

まとめ
    • ハイブリッドクラウドの課題は、ガバナンス崩壊やコストのブラックボックス化、システム全体像の不透明化、運用の複雑化など多岐にわたる。
    • 課題が解決できない背景には、「戦略」「組織」「設計」の3つの壁がある。全体最適の方針が定まらず、推進体制や設計力が不足することで、停滞してしまうケースも少なくない。
    • 全社視点で構想を描き、実績のあるパートナーとともに進めることで、持続可能なIT基盤の実現につながる。

もし、「自社も当てはまるかもしれない」「何から手を付ければいいのか整理したい」と感じた場合、まずは、現状の課題整理と全体像の可視化から始めてみませんか?全社最適に向けた具体的な進め方について知りたい方は、ぜひ以下の資料もご活用ください。

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今回ご紹介した3つの壁を軸に、「なぜ検討が止まるのか」 「どうすれば迷走を防げるのか」「実際の進め方はどうするのか」 をより具体的に解説しています。今の状況を整理し、一歩前に進めるためのヒントとして、ぜひご活用ください!

 

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      • 戦略・組織・設計それぞれに生じる課題を解説
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よくある質問


Q. ハイブリッドクラウドでコストが増加する原因は何ですか?
A.クラウドの従量課金とオンプレミスの固定費が混在することで、ITコストの全体像が見えにくくなることが主な原因です。また、データ転送費や不要なリソース利用によって、想定以上のコストが発生することもあります。

Q. なぜハイブリッドクラウドのパートナーとして双日テックイノベーション(STech I)が選ばれているのですか?
A.双日テックイノベーション(STech I)は、単なる製品導入支援ではなく、構想設計から実装・運用まで一貫して支援できる点が強みです。戦略・組織・設計の観点を整理しながら、実現性の高いロードマップ策定を支援できることが評価されています。

Q. ハイブリッドクラウドのデメリットは何ですか?
A.ハイブリッドクラウドの主なデメリットは、環境の複雑化によって管理負荷が高まることです。オンプレミスとクラウドを併用するため、ガバナンスの維持やセキュリティ管理、コスト管理が難しくなる傾向があります。

この記事を書いた人

Azure支援デスク 管理者
Azure支援デスク 管理者
双日テックイノベーション(旧:日商エレクトロニクス)特設サイト「Azure導入支援デスク」サイトマスターです。