
本記事のポイント
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- DX・データ活用プロジェクトが成果につながらない理由は、
「サイロ化」と「基盤整備の不足」 - 3 社のリアルなデータ活用事例で共通しているのは、
「部門間を超えたデータを使える状態」があること - 成果を出す鍵は「段階的なデータ活用基盤の整備」、3ステップで実現できる
- DX・データ活用プロジェクトが成果につながらない理由は、
・ AI ツールを入れたのに、なぜか成果につながらない
・ データはあるが、勘と経験に頼っている
そんなもどかしさを感じていませんか?
本ブログでは、企業内のデータ活用やDXプロジェクトで悩んでいる方向けに成果を出すためのヒントを紹介します。
詳細については資料もご用意しています。ぜひ、チェックしてみてください。
サイロ化を断ち切るデータ活用
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目次
1.なぜ AI・データ活用プロジェクトは失敗するのか
最大の壁は「サイロ化」と「基盤整備の不足」
AI を活用したい、高度な予測分析をしたい…そう思っても、データが各所に散在していて統合されていない、リアルタイム性が低い、データの粒度が粗い。こうした状況では、AI に学習させるような”使えるデータ”にたどり着くことは難しくなります。
多くの企業がつまずく最大の要因は、サイロ化されたデータ環境と、それを解消するデータ活用基盤が整備されていない点にあります。
① 部門ごとにシステムとデータが分断している(サイロ化)
多くの企業では、営業・製造・物流・人事・経理といった部門ごとに、それぞれ最適化されたシステムが導入されてきました。それ自体は悪いことではありませんが、結果として生まれるのが「データのサイロ化」です。
部門をまたいでデータを横断的に見ようとしても、フォーマットがバラバラだったり、そもそもシステム間の連携ができていなかったりして、全社視点での分析が難しくなってしまいます。特に、長年かけて少しずつシステムを積み上げてきた企業ほど、この問題は深刻です。
② システムごとに異なるデータモデルや定義が混在している
サイロ化とセットで起きやすいのが、定義ズレです。「売上」「顧客数」といった一見シンプルな指標でも、部門によって集計方法や定義が微妙に違っていて、数字が一致しないことがあります。
この状態が続くと、現場がデータそのものを信用できなくなっていきます。「どのデータが正しいのかわからない」「会議のたびに数字が変わる」そんな状況では、せっかく作った分析レポートも誰にも使われなくなってしまうのです。
③ グループ企業・海外拠点なども含めた統合基盤が未整備
「BI ツールは導入しました」という企業でも、よく聞くのが「ダッシュボードを作ったけれど、見るだけで終わっている」という声です。
その背景には、部分最適な導入にとどまっているという問題があります。特定の部門やプロジェクトのためにツールを入れても、全社のデータがつながっていなければ経営判断に活かせる分析はできません。
結果として「分析結果が意思決定に組み込まれない」「アクションにつながらない」という状況が生まれてしまいます。
2.課題を解決に導く!
「データサイロ化」を乗り越えたデータ活用事例
全社一体でデータを活用できるしくみづくりが鍵
では、これらの課題をどのように乗り越えればよいのでしょうか。ここでは、サイロ化を解消し、データ活用を実現した企業のデータ活用事例を 3 つご紹介します。それぞれの企業が何に悩み、どんな取り組みによって変化を生み出したのか、ぜひ参考にしてみてください。
事例①|サイロ化の解消、意思決定を高速化
(東洋製罐グループホールディングス)

課題:データは揃っているのに、収益分析ができない
金属・プラスチック・ガラスなど多様な素材の容器を製造する総合容器メーカー、東洋製罐グループホールディングスは、基幹業務に関わるデータはすでに揃っている状況でした。しかし、「収益につながる要因を特定するようなデータがない」「勘や経験に依存した判断にならざるを得ない」という課題を抱えていました。
また従来の BI ツールでは多角的な分析が難しく、担当者が手作業でレポートを加工するためリアルタイム性も低い状態でした。
解決策:データレイクハウス「Databricks」の導入
そこで取り組んだのが、構造化データと非構造化データの両方を統合管理できるデータレイクハウス「Databricks」の構築です。複数の事業会社のデータを横断的に見られるプラットフォームを整備し、「過去の分析」から「未来の予測」へとシフトする新たなデータドリブン経営を目指しました。
成果:製品原価の可視化と AI エージェントにより業務効率が向上
材料費・人件費・電気代・保管料など変動する製品原価をリアルタイムで把握できるようになりました。さらに AI エージェントをヘルプデスク業務に活用することで 30〜40%の工数削減、設計書レビューでは約 30%のコスト削減が見込まれています。経営判断のスピードアップと業務効率化の両立を着実に進めています。
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事例②|顧客関連データを1つに集約、資料作成から解放
(双日テックイノベーション)

課題:データが各所に点在し、意思決定に遅れが生じていた
ICT ソリューションを手掛ける弊社、双日テックイノベーション(旧:日商エレクトロニクス)は、社内の顧客データが基幹システム・営業支援システムなど各所に散在しており、データを使った意思決定に遅れが生じていました。経営企画部では、週・月・四半期ごとの売上・利益レポートを作成するだけで毎回 1〜2 日の工数がかかっていました。
解決策:Azure Databricks にデータを集約、Power BI でデータ共有
スモールスタートを意識しながら、Azure Databricks を核としたデータ活用基盤を構築。基幹システムと営業支援システムのデータを一元的に集約し、Power BI などから参照・分析できる環境を整えました。
成果:定例レポート業務の大幅削減とデータ民主化を推進
手作業で作成していたレポートの工数が大幅に削減される見通しとなりました。さらに社内のエンジニアにデータ基盤を開放することで、「データ活用の民主化」を推進。自社での活用で得た知見やノウハウを、同様の課題を持つ顧客向けソリューションとしても展開しています。
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事例③|データ活用基盤でデータドリブン経営へ転換
(第一フロンティア生命保険)

課題:データが統合されておらず、属人的な作業の負担が大きかった
第一フロンティア生命保険では、事務作業で使用している Microsoft Access や Excel などによる処理時間の膨大な長さと、それに伴う人的作業が大きな負担となっていました。
また、営業部門の状況や、代理店の販売状況等のデータを集計するのに多くの時間を要していました。
解決策:Azure Data Factory を使ったデータ基盤をスモールスタート導入
特定の業務要件から着手するスモールスタートの形で、コードを一切書かずにデータを統合・加工することができるAzure Data Factoryにて データ活用基盤を構築。業務部門と IT 部門が密接に連携しながら、必要なデータを段階的に集約・整備していきました。
成果:100 時間の作業が 30 分に、部門を超えたデータ活用が実現
営業部門はレポート作成の時間がなくなり、これまで約 100 時間かかっていた作業が 30 分に短縮されるという劇的な効率化を達成。さらにコールセンターのメンバーが前日の新契約データを参照して問い合わせを予測するなど、部門を超えたデータ活用が進んでいます。
全社にデータ活用文化が醸成されつつあり、データドリブン経営への転換を着実に進めています。
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これらのデータ活用事例に共通しているのは、「部門間を超えたデータを使える状態」を実現している点です。ツールを導入するだけでなく、データを統合し、誰もが活用できる環境をつくることが成果へつながるヒントです。
3.データ活用事例から学ぶ!
サイロ化解消「データ活用」の 3 ステップ
ポイントは”段階的な基盤整備”
データ活用は一足飛びには実現できません。上記の成功企業を見てみると、スモールスタートから始め、段階的にデータ活用基盤を進化させているという共通点があります。その道筋を整理すると、次の 3 つのステップに集約されます。

ステップ 1|全社的な ERP 導入
まず取り組むべきは、ERP(基幹データ)の一元管理です。
各部門の業務データを共通フォーマットで蓄積できるようになることで情報の分断を解消し、「どのデータが正しいのか」という混乱がなくなります。
この段階では、完璧を目指す必要はありません。まずは主要な基幹データを一元管理できる状態をつくることが大切です。
- ERP に登録されない周辺業務データが多く残る
- システム間のデータが分断され、 横断的な分析が困難になる
- データを「活用」するよりも「管理」に とどまりやすい
ステップ 2|データウェアハウス(DWH)の構築(分析基盤)
次のステップは、蓄積したデータを分析・可視化できる環境に整えることです。
データウェアハウス(DWH)を構築し、BI ツールと連携させることで、経営指標や業務 KPIをダッシュボードで見える化できるようになります。ここで重要なのは、「見るだけ」で終わらせないこと。分析結果が意思決定にどう活かされるかを、導入段階から設計しておくことが鍵になります。
- データ更新がバッチ処理中心でリアルタイム性に欠ける
- 非構造化データ(画像・ログ・センサー など)を扱えない
ステップ 3|データレイクハウスの導入(AI 活用)
最終的なステージは、構造化データと非構造化データを統合したデータレイクハウスの構築です。
顧客の行動データ、センサーデータ、テキストデータといった多様なデータを一元管理できるようになることで、AI を活用した高度な予測分析が現実のものとなります。スケーラブルで柔軟なデータ活用基盤を持つことで、新たなビジネス価値の創出にも道が開けます。
- 設計・構築にはデータエンジニアリングや AI の専門知識が求められる
- データ品質管理・定義統一・権限設計など、運用ルールの整備が不可欠

事例でご紹介した東洋製罐グループが「過去の分析から未来の予測へ」とシフトできたのも、まさに上記のようなステップ で基盤を整えたからこそです。
データ活用の本質は「見える化」ではなく「意思決定・行動につなげること」です。分析結果がアクションに結びつく設計を、基盤整備の段階から組み込んでおくことが成果の分岐点となります。
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4. まとめ
自社のデータ活用は、どこで止まっていますか?
ここまで、DX・データ活用が成果につながらない構造的な原因と、それを乗り越えた企業事例、そして段階的な基盤整備の進め方を紹介しました。
ここまで読んでいただいて、「うちの会社は、何から始めるべきか」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。自社のデータ活用は、今どの段階にあるでしょうか?現状を正しく把握することが、次の一手を見極める第一歩です。
そこでお役立ていただけるよう、自社のデータ活用レベルをセルフチェックできる『サイロ化を断ち切るデータ活用ガイド』を無料でご提供しています。

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よくある質問
Q. データ活用の事例として、どのような業種・業態で成果が出ていますか?
A. 製造業・商社・保険業など、業種を問わず成果が出ています。共通しているのは、部門間に散在していたデータを統合し、全社で活用できる基盤を整えた点です。業種よりも「データをつなげる仕組みをつくれたかどうか」が、成果を左右する要因といえます。
Q. データ活用事例でよく見られる「サイロ化」とは何ですか?
A. 部門ごとに導入されたシステムのデータが連携されておらず、全社で横断的に活用できない状態を指します。営業・製造・経理などが別々のシステムでデータを管理していると、集計方法や定義がズレ、分析結果への信頼性が低下します。多くのDX失敗事例の根本原因となっています。
Q. データ活用の事例を参考にしたいのですが、中小企業でも実現できますか?
A. 可能です。本記事で紹介した事例のように、最初から大規模な基盤を構築する必要はありません。特定の部門や業務に絞ったスモールスタートから着手し、成果を確認しながら段階的に拡張していくアプローチが、規模を問わず有効です。
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この記事を書いた人

- Azure支援デスク 管理者
- 双日テックイノベーション(旧:日商エレクトロニクス)特設サイト「Azure導入支援デスク」サイトマスターです。
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