オンプレミスとクラウドの違いとは? メリット&デメリット、注意点について解説!

 

こんにちは!テクニカルマーケターの高橋です。

今回は、オンプレミスとクラウドの比較についてお話ししたいと思います。

オンプレミスとクラウドには、それぞれメリットとデメリットがありますが、最近では、コストや効率、セキュリティなどの面でクラウドの優位性が高まっています。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?この記事では、オンプレミスとクラウドの評価項目を7つに分けて比較してみました。オンプレミスからクラウドへの移行を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

オンプレミスとは

オンプレミスとは、システムを運用する上で必要なソフトウェア・ハードウェアを自社で保有・管理する運用形態です。

例えば、自社のデータセンターのサーバーにデータベースやアプリケーションをインストールして、自社のネットワーク内で利用する場合は、オンプレミスと言えます。

自社でハードウェアなどを保有しない運用形態であるクラウドとは、対になるあり方として、よく比較されます。

 

 

クラウドとは

クラウドとは、インターネット経由でサービス提供者が用意したサーバーやストレージ、ネットワーク、ソフトウェアなどのITリソースを必要なときに必要な分だけ利用できるサービスです。

クラウドの利用により、ITリソースの調達や運用管理の負担を軽減し、柔軟かつ効率的にビジネスを展開することができます。

世界3大クラウドとしては「Azure」、「Amazon Web Service(AWS)」、「Google Cloud Platform(GCP)」があります。

 

クラウドには大きく以下の種類があります。

IaaS:Infrastructure as a Service(サービスとしてのインフラストラクチャ)と呼ばれ、仮想マシンやネットワークなどのインフラを提供するクラウドサービスです。ユーザーは自分でOSやアプリケーションなどをインストールして管理する必要がありますが、柔軟にカスタマイズできるメリットがあります。

PaaS:Platform as a Service(サービスとしてのプラットフォーム)と呼ばれ、アプリケーション開発に必要な実行環境やミドルウェアなどを提供するクラウドサービスです。ユーザーは自分で作成したコードをデプロイするだけでアプリケーションを実行できます。

SaaS:Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)と呼ばれ、メールやコミュニケーションツールなどのアプリケーションを提供するクラウドサービスです。ユーザーはブラウザやアプリからサービスにアクセスするだけで利用できますが、カスタマイズ性が低いデメリットがあります。

 

オンプレミスとクラウドのメリット&デメリット

オンプレミスとクラウドにはそれぞれメリット、デメリットが存在します。

それぞれについて纏めました。

オンプレミスのメリット・デメリット
メリット
  • セキュリティやパフォーマンスなどの品質を自社でコントロールできる
  • データやシステムの所有権を自社で保持できる
  • カスタマイズや拡張性に優れる
デメリット
  • 初期投資や運用コストが高い
  • 専門的な人材や技術が必要
  • 災害や障害に対する対策が難しい
クラウドのメリット・デメリット
メリット
  • 初期投資や運用コストが低い
  • 専門的な人材や技術が不要
  • 災害や障害に対する対策が容易
デメリット
  • セキュリティやパフォーマンスなどの品質をサービス提供者に依存する
  • データやシステムの所有権をサービス提供者に委ねる
  • カスタマイズや拡張性に制限がある

オンプレミスとクラウド 7つの比較

オンプレミスとクラウドについて7つの評価項目で比較しました。

それぞれ得意、不得意があるので適材適所で使い分かることも大切です。

比較項目 オンプレミス クラウド
ITインフラ 自社で所有・管理するため、自由度が高いがコストや手間がかかる。 サービス提供者が管理するため、コストや手間を抑えられるが自由度やカスタマイズ性に制限がある。
コスト 初期費用や運用費用が高額になりやすい。 初期費用は低く抑えられるが、利用した分だけサービス利用料が発生する。
運用負荷 すべて自社で対応する必要があるため、手間がかかる。 基本的にサービス提供者が行うため、手間がかからない。
拡張性 システムリソースの追加や変更には時間やコストがかかる。 システムリソースの追加や変更が簡単にできる。
可用性 社内ネットワーク内で運用するため、外部からのアクセスに制限がある。 インターネット経由でアクセスできるため、外部からのアクセスに制限がない。
セキュリティ 自社でセキュリティ対策を行う必要があるが、自社のポリシーに沿ってカスタマイズできる。 サービス提供者のセキュリティポリシーに依存するが、基本的には高いレベルのセキュリティを提供している。
導入期間 機器やソフトウェアの調達や設置・設定などに時間がかかる。 サービスを契約するだけで運用開始できるため、時間がかからない。

 

クラウドの責任範囲

クラウドの責任共有モデルとは?

クラウドを利用する場合、顧客側とクラウドプロバイダーとの責任の分担を理解することが重要になります。

この責任の分担をモデル化した「責任共有モデル」があります。

責任共有モデルとは、クラウドサービスに関する責任を、クラウドプロバイダーと利用者で分担する仕組みのことです。

この仕組みは、クラウドサービスの利用にあたって必ず理解しておくべき基本的な考え方です。

以下の図が各レイヤーにおいて、クラウドプロバイダーと顧客の責任の分担を表したものです。

 

なぜ責任共有モデルが必要なのでしょうか?

それは、クラウドサービスでは、物理的なインフラストラクチャからアプリケーションやデータまで、さまざまなレイヤーが存在し、それぞれにセキュリティやコンプライアンスの要件が異なるからです。すべてのレイヤーにおいて、クラウドプロバイダーだけが責任を負うということは現実的ではありません。また、利用者だけが責任を負うということも不可能です。そこで、サービス提供者と利用者がそれぞれの役割を明確にし、適切な対策を行う必要があるのです。

クラウドサービスを利用する際には、自分たちにも責任を持つ範囲があることを自覚し、適切な対策を行うことが重要です。

 

ユースケース & ハイブリッドクラウドについて

システムの要件に応じてオンプレミスとクラウドを適材適所で使い分けるハイブリッドクラウドといった使い方があります。

オンプレとクラウド、それぞれの利点を最大化しつつ、お互いのデメリットを補えうことが可能です。

例えば、セキュリティやパフォーマンスが重要な業務はプライベートクラウドで行い、コストやスピードが重要な業務はパブリッククラウドで行うというように使い分けることができます。

それぞれのユースケースを纏めてみました。

オンプレミス、クラウドのユースケース
オンプレミス
  • セキュリティやパフォーマンスなどの品質を自社でコントロールしたい
  • データやシステムの所有権を自社で保持したい
  • カスタマイズや拡張性に優れたシステムを構築したい
クラウド
  • 初期投資や運用コストを低く抑えたい
  • 専門的な人材や技術が不足している
  • 災害や障害に対する対策が容易なシステムを利用したい
  • 柔軟かつ効率的にビジネスを展開したい

 

事例

ハイブリッドクラウドについては、弊社においても以下のような事例があるのでご紹介いたします。

オンプレ基盤の老朽化を機に、Azureの利用を開始したケースとなります。オンプレの保守切れ、老朽化やDXの第一歩としてクラウドをお考えの方も

是非ご参照ください!

Microsoft Azure 事例:三井倉庫ホールディングス株式会社 | Azure導入支援デスク (nissho-ele.co.jp)

 

まとめ

オンプレミスとクラウドには、それぞれメリットとデメリットがありますが、最近では、コストや効率、セキュリティなどの面でクラウドの優位性が高まっています。

しかし、クラウドサービスを利用するには、責任共有モデルを理解し、自分たちにも責任を持つ範囲があることを自覚する必要があります。また、クラウドサービスの種類や特徴に応じて、最適なサービスを選択することも大切です。

クラウド導入に関するご相談やご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

髙橋 和輝
髙橋 和輝
テクニカルマーケターとして、新技術の検証、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!
学生時代はアプリ開発に興味がありましたが、インフラ、セキュリティ事業を経て、現在はクラウド屋さんになっております。
コロナ禍前は、月1で海外旅行にいくなどアクティブに活動していましたが、最近は家に引きこもってゲームが趣味になっています。

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