VDIに必要な
Windows VDAライセンスとは?
導入メリット、費用を解説!
近年、災害/パンデミック時における事業継続のためのテレワーク、働き方改革の対応策やセキュリティ強化として「仮想デスクトップ(VDI)」の導入を検討する経営者・IT管理者の方が増えてきています。一方で、「仮想デスクトップ(VDI)の導入時に必要になるWindows VDAライセンスってなに?」などと分からないことが多いでしょう。今回は、Windows VDAライセンスの概要やメリット、費用をご紹介します。
目次
1.Windows VDAライセンスとは
Windows VDAライセンスとは「 Windows Virtual Desktop Access サブスクリプション ライセンス」ライセンスの略で、WindowsのクライアントOSを遠隔から接続して利用するためのライセンスのことです。
遠隔操作を行う際、サーバー上で仮想マシンを起動し、仮想デスクトップ画面を呼び出して利用するクライアント機が必要となります。
「クライアント」とは、サーバーに対してサービスの依頼を行って提供を受けるようなコンピュータやアプリケーション等のことです。私たちが普段使用しているPCは、クライアントの1つとイメージしておくと良いでしょう。
ちなみに、ライセンスは、仮想デスクトップ(VDI)環境に接続するユーザーが使用するデバイスの単位で購入することが一般です。
仮想デスクトップ (VDI:Virtual Desktop Infrastructure)とは、クライアントにある機能の多くを自社で管理するサーバー側に集約し、実行させる仕組みのことです。
ユーザーは手元のPCにあるWindows画面を操作していますが、実際のクライアントOSは手元のPC上で動いているのではなく会社が管理するサーバー上で動いているということになり、実際の情報処理やデータ保存もサーバー側で行われます。そのため、テレワーク時のセキュリティ強化の仕組みとして注目されています。
Windows VDAライセンスを持っていれば、基本的にどの端末でも仮想デスクトップ(VDI)環境を利用できます。
● Windows
● Mac
● アンドロイドデバイス
● iOSデバイス
● Linux
● シンクライアント端末
上記のシンクライアント端末とは、「Thin Client(薄い端末・厚みがない端末)」という意味です。
シンクライアント端末は、ハードディスクなど容量の大きい記憶媒体を搭載していないため、アプリケーションの実行やデータ保存など主要な処理をサーバー側で行います。
2.Windows VDAライセンスの導入メリット
Windows VDAライセンスを導入するメリットは下記の3つがあります。
1. セキュリティの向上に期待できる
2. デスクトップ環境を一括管理できる
3. 働き方に幅が出る
セキュリティの向上に期待できる
1つ目のメリットは、セキュリティの向上に期待できます。
仮想デスクトップ(VDI)環境下において、サーバー側はデータ保存やアプリケーション処理などができ、クライアントはキーボードや画面などの操作ができます。
クライアントには、重要な情報がほとんど残らないため、情報の紛失や盗難による情報漏洩のリスクが非常に低くなります。
また、Windows VDAライセンスの導入はウイルス感染対策としても有効です。これまでのように、各クライアント側ごとにウイルス対策を行うことは、非常に手間がかかります。
そのうえ、「各ユーザーがどのようにクライアントを使用するか」までを管理することは現実的ではありません。たとえ、ユーザーがウイルス感染の危険性が高い使用方法をしていても、管理者側がそれに気付くことは困難です。
しかし、Windows VDAライセンスを用意し、デスクトップ環境をサーバーに移行すれば、個別の対策をクライアントごとに行う必要なくなります。
もし、各ユーザーのローカル端末がサイバー攻撃を受けたとしても、データは端末でなくサーバーに保存されているため、ダメージが最小限で済むでしょう。
デスクトップ環境を一括管理できる
2つ目のメリットは、デスクトップ環境の一元管理が可能になることです。
仮想デスクトップ環境がない場合、分散する全てのクライアントを管理することは非常に難しいです。例えば、セキュリティパッチの適用やアプリケーションのバージョンアップ実施などは、各ユーザーや事務所ごとに依頼・管理する必要があります。
セキュリティパッチとは、ソフトウェアで発見された問題点や脆弱性を解決するためのプログラムのことです。
Windows VDAライセンスで仮想デスクトップ(VDI)を利用できることによって、デスクトップ環境を一元管理できれば、システム管理の担当者はローカル端末を管理する必要がなく、システムの運用管理の手間が削減できます。
システムの規模が大きくなるほどにWindows VDAライセンスを導入する利点は大きくなり、大規模な事業者でも確実かつスムーズなシステム運用管理が期待できるでしょう。
柔軟な働き方ができるようになる
Windows VDAライセンスの導入は、働き方の多様化にも役立ちます。
近年では働き方改革によるリモートワーク・テレワークの推進などにより、遠隔地にいても業務を遂行できる環境整備の必要性が高まっています。
ネットワーク接続できる環境さえあれば、遠隔地でも業務はできますが、接続デバイスやネットワーク環境の管理までを管理担当者が行うのは現実的に不可能でしょう。
しかしWindows VDAライセンスを導入することで、基本的にどのような端末からでも仮想デスクトップ(VDI)環境に接続することが可能になります。
こうした環境を整えることで、接続端末を管理する必要がなくなるため、ユーザーはより幅広い環境で業務を遂行できるようになるのです。
また、端末に情報を保存しておかないシステムは、BCP対策としても有効だと言えます。
BCPとは「事業継続計画(Business Continuity Plan)」の略称です。
企業がテロや災害、大規模なシステム障害などの緊急事態下にあっても、重要性の高い業務を継続できるようにする計画のことを言います。
Windows VDAライセンスを導入すれば突然の災害時にも出社することなく、安全な場所でビジネスを継続できます。
3.Windows VDAライセンスを導入にかかる費用
Windows VDAライセンスの導入にかかる費用は、ライセンスプログラムやボリュームディスカウントによって変化します。
Windows VDAライセンスは法人向けのボリュームライセンスプログラムでのみ提供され、全てライセンス販売パートナー経由で購入することが原則です。そのため実際の費用については販売代理店様か、弊社にご相談ください。
ここでは参考価格を記載します。
Windows VDA E3の市場価格はおおよそ・・・月1360円/ユーザ
また、Windows VDAライセンスは通常、サブスクリプション型の利用許諾契約となっています。サブスクリプションとは、定額料金を支払うことで一定期間サービスが受けれらることを保証される契約形態のことです。
「一度費用を払えば永続的に利用できる」という訳ではなく、事前に契約した期間にのみ利用でき、その後も一定期間ごとに費用が発生すると理解しておくと良いでしょう。
無料でWindows VDAライセンスを利用できる場合もある
Microsoft Azure上で仮想デスクトップ(VDI)「Azure Virtual Desktop(AVD)」を利用する場合、接続する端末がWindowsであれば、Windows VDAライセンスの購入は不要です。接続する端末がWindows の場合、Windows7/10 Enterprise E3/E5のエディションの中にWindows VDAライセンスの機能も包括され、リモート接続することが可能だからです。
一方で、以下の方はWindows VDAライセンスの購入が必要ですのでご注意ください。
- 社員にゼロクライアント端末を配布して仮想デスクトップ(VDI)を利用する場合
- VDIの基盤にAmazon AWSを利用する場合
Amazon AWSを利用する際のWindows ライセンスルールが2019年にルールが変わり、VDAライセンスが必要になりました。改めて、価格を記載するとWindows 10 のライセンスとWindows VDAのライセンス差は、なんと月600円になります。
Windows 10 Enterprise E3の市場価格はおおよそ・・・月760円/ユーザ
Windows VDA E3の市場価格はおおよそ・・・月1360円/ユーザ
クラウドを活用した仮想デスクトップ(VDI)をご検討の方は、Microsoft Azureの方がコストメリットが出てきます。
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マイクロソフトのVDI
Azure Virtual Desktopとは?
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4.まとめ
Windows VDAライセンスは、WindowsのクライアントOSにリモート接続し、利用するためのライセンスです。Windows VDAライセンスを導入することでセキュリティの向上や管理コストの削減が期待でき、柔軟な働き方の実現にも寄与するでしょう。Windows VDAライセンス導入にかかる費用はパートナーごとに異なるものの、サブスクリプション型の契約が基本です。
Windows VDAライセンスがあれば仮想デスクトップ(VDI)を活用でき、管理コスト削減と多様な働き方の両方を実現することができます。
この記事を書いた人
- Azure導入支援デスク 編集部
-
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