【イベントレポート】
Microsoft Build 2025 キーノートまとめ(Day1)~AIエージェントが「チームの一員」として協働する時代へ~

こんにちは!今年もMicrosoft Buildの季節がやってきました。今年はAIエージェントを中心に、私たちの働き方を大きく変える発表が盛りだくさんでした。
この記事では注目すべきポイントを7つに絞ってご紹介いたします。


1. GitHub Copilotが“相棒”から“チームメイト”へ進化

VS CodeでのGitHub Copilotオープンソース化を発表

VS CodeへのCopilot機能の統合と、タスク実行型エージェントの登場により、
GitHub Copilotがさらに進化し、コード補完を超えて“開発タスクの自動実行”まで担う存在に

– GitHub Issuesのタスクに応じて、Copilotが自動でブランチ作成 → コーディング → PR作成まで実行

– SRE向けエージェントにより、障害トリアージや復旧、レポート作成まで自動化

💡ここがポイント!
繰り返し業務や深夜対応などをCopilotに任せることで、開発者はより創造的な業務に集中できます。
もはや“アシスタント”ではなく、“信頼できるメンバー”です。


2. Microsoft 365 Copilot が Teams以来最大のアップデートを発表

Copilotが「Chat」「Search」「Notebooks」「Create」「Agents」の5つの機能を統合した“5-in-1プラットフォーム”に進化

– Chat:社内外の情報をもとに、自然な会話で質問・指示ができる

– Search:ConfluenceやGoogle Driveなども含めた横断検索が可能に

– Notebooks:チャットやドキュメントをまとめて、思考やプロジェクトを整理

– Create:PowerPointをもとに説明動画を生成したり、画像を作成できるクリエイティブ機能

– Agents:業務に特化したAIエージェントを呼び出して、作業を代行してもらえる

さらに、Copilot Tuningにより、企業独自のトーンや知識を学習させたエージェントの構築も可能になりました

💡ここがポイント!
「情報を探す・まとめる・伝える・実行する」がこの1つのアプリで完結。特にリサーチや資料作成が多い方には、かなりの時短になりそうです。

3. Azure AI Foundry:AIエージェント時代のアプリケーション基盤

AIアプリやエージェントを作って、育てて、運用するための統合プラットフォームが登場

– 1,900以上のAIモデルに対応。最適なモデルを自動で選んでくれる「モデルルーター」も搭載

– 複数のエージェントを連携させて、複雑な業務フローを自動化

– セキュリティやガバナンスも、Microsoftらしくしっかり対応

💡ここがポイント!
「PoCで止まらないAI活用」を実現するための本格的な基盤。社内業務の自動化や、AIサービスの本番運用にも使えそうです。

4. Foundry LocalとWindows AI Foundry:ローカル環境でもAI活用が可能に

クラウドだけでなく、ローカルPCでもAIエージェントが使えるように

– 軽量モデル「Phi Silica」が標準搭載。オフラインでも動作OK

– FigmaやWSLなど、ローカルアプリとの連携もスムーズ

– LoRAアダプターで、モデルのカスタマイズも簡単に

💡ここがポイント!
MCP(Model Context Protocol)がWindowでネイティブサポートされたため、ネットワーク制限のある現場や、セキュリティが厳しい環境でもAIが活用できるように。
現場業務の自動化にも期待
が高まります。

5. Microsoft Discovery:研究開発の“AI助手”

科学研究に特化したAIプラットフォーム「Microsoft Discovery」が登場
AIが、研究→仮説→実験→検証のサイクルを支援

– 事例:PFAS(有害な永続性化学物質)を使わない冷却材をAIが発見し、PC冷却に成功!

– 科学的知識に基づいたエージェントが、研究者の“相棒”に

💡ここがポイント!
従来なら数ヶ月〜数年かかる研究を数日〜数時間で完了させたということで、製薬・素材・エネルギーなど、R&Dが重要な業界における研究期間の短縮と精度の向上といった面での貢献に期待が高まります

6. GrokやMistralなど、マルチモデル時代へ

OpenAIに加えて、xAIのGrokやMistralなど、用途に応じて最適なモデルの使い分けが可能に

Grokは「第一原理からの推論」を重視し、複雑な問題により論理的にアプローチする特徴をもつ

– 地域や業界に応じたモデル選定も可能に

💡ここがポイント!
「どのモデルを使うか」ではなく、「何をしたいか」で選ぶ時代に。開発者の柔軟性がぐっと広がります。

7. NLWebとMCP:Webが“エージェント対応”に

「NLWeb」という新しいプロトコルを発表

– WebサイトやAPIを、簡単にAIエージェント対応にすることが可能

– MCPとの組み合わせで、オープンで相互運用可能なエージェントWebが実現

💡ここがポイント!
「AIに使われるWeb」から「AIが使えるWeb」へ。自社サービスをエージェント対応にすることで、新しいUXが提供できそうです。

まとめ:AIエージェントと一緒に働く未来がすぐそこに

今年のBuildは、生成AIを活用する時代から、生成AIと“共に働く”時代へと大きく変わり始めていると感じさせられました。

GitHub CopilotやMicrosoft 365 Copilot、Azure AI Foundryなど、私たちの働き方を大きく変えるツールが次々と登場しています
気になるサービスがあれば、ぜひ業務の中で試してみてください!

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この記事を書いた人

STech I_伊丹
インフラ、Data&AI関連のマーケティングを担当
Microsoft社の資格取得のため勉強中