Microsoft Build 2024 Day2
キーノートまとめ(日本語)前編
こんにちは、日商エレクトロニクスの小杉です。5月21日から開催されているBuildのキーノートを日本語でまとめております。Day1のキーノートまとめはこちらをご覧ください。
https://cloud.sojitz-ti.com/blog/microsoft-build-2024-keynote-day1/
本日は、Day2のキーノートをまとめたいと思います。Day2では、Copilot Stackについて、「アプリケーションサービスと開発者ツール」「AIプラットフォーム」「データプラットフォーム」「インフラストラクチャー」の4つの柱に沿って新機能などの発表がされておりました。ブログの内容は長くなってしまったので、前編と後編で分けようと思います。前編では、「アプリケーションサービスと開発者ツール」「AIプラットフォーム」までご紹介します。
1.オープニング
Microsoftは、働き方や組織運営を大きく変えようとしています。今まで不可能でしたが、既存アプリも新しいアプリもAIを使用して構築されるアプリが登場するでしょう。
昨日のDay1では、Microsoft Copilotを取り上げており、Copilotの新機能について触れていました。本日は、AIの機能とSolutionを作成するための最も高度なプラットフォームであるCopilot Stackについてご説明します。
2.アプリケーションサービスと開発者ツール
Visual Studio製品ファミリは、現在世界で最も広く使用されているツールであり、4000以上のアクティブな開発者がいます。
昨年リリースしたCopilot Studioは、現在30,000を超える組織においてGitHubでAIソリューションを構築するために使用されており、1億人以上の開発者に使用されており、オープンソースの本拠地となっています。
GitHub Copilot
GitHub Copilot は、コードをより速く効率的に記述できるAI コーディングアシスタントです。一般的なプログラミング言語と連携し、開発者の生産性を劇的に向上させます。現在、何百万人もの開発者が実際に利用されており、例えば以下のようなことができます。
・入力時にコーディングの提案が提供される
・チャット機能を使用して、Copilot に問題を解決する最善の方法を尋ねることができる
・他人が書いたコードについて説明するように依頼することもできる
・開発者のなじみのないコードで作業する際のスピードアップにも役立つ
プライベートプレビュー:GitHub Copilot Workspace
Day1でも話がありましたが、数週間前にGitHub Copilot Workspaceのプレビューをリリースしました。開発における初期段階の問題把握や計画などを第2の脳として提案してくれて、最終的なコードも含めて提案してくれます。
プロセスのすべてのステップを常に完全に制御できるので、意思決定・創造性・所有権など、ソフトウェア開発の最も重要な側面を奪うことなく、複雑さを軽減し、生産性を向上させるように設計されています。
実際に利用している開発者からは、「ブレインストーミング・計画・ビルド・テストのすべてを自然言語で行えるようになった。」とフィードバックをもらっています。
パブリックプレビュー:Azure Kubernetes Service (AKS) Automatic
AKSは、コンテナー化されたアプリケーションをデプロイして管理するために使用できるマネージド Kubernetes サービスです。そして今回、Azure Kubernetes Service (AKS) Automaticを新しくリリースします。
これは、クラスタのセットアップと管理から、パフォーマンスとセキュリティまですべてを自動化し、アプリケーションで最高のパフォーマンスを確保するために最適化されるよう構成されています。また、堅牢な導入保護機能とセキュリティポリシーがすべて組み込まれています。
パブリックプレビュー:GitHub Copilot for Azure
GitHub + Azureの組み合わせは非常に強力であり、AIの時代に最適化されたエンドツーエンドのエクスペリエンスを開発者に提供します。Day1でも話がありましたが、GitHub Copilot for Azureのサポートにより、プロセスをより効率的かつインテリジェントにします。
開発者はコードだけでなく、Azureクラウド環境や作業しているすべてのリソースについても質問でき、究極のAI開発とクラウドプラットフォームの組み合わせを活用できます。
例えば、Visual Studio CodeとVisual Studio内で直接Azureを学習し、Azureリソースを管理、問題のトラブルシューティングを行うのに役立ちます。また、Azureを使用して、Webの規定ドメインなど、Azureリソースの詳細を素早く見つけることができます。
この説明のあと、わずか数分でGitHub Copilot for Azureを使用して、Visual Studio Code内からAzureのKubernatesにアプリケーションをデプロイできた、というデモが行われました。
Microsoft Copilot Studio
2023年秋にCopilot Studioを公開し、すでに30,000をこえる組織がCopilot Studioを使用しており、前四半期比で175%の成長を遂げています。
米国最大級の某ガス・電力会社の例ですが、Copilot StudioとCINEPLEXでITヘルプデスクへの問い合わせの約40%を管理するCopilotを構築し、顧客からの問い合わせ処理時間が15分から30秒に短縮されたということです。
3.AIプラットフォーム
世界中でAzure AIの導入は加速しており、50,000社以上の企業がAzure AIを活用しています。
一般提供:Azure AI Studio
Day1でも紹介がありました。MicrosoftのAIポートフォリオはAzure AI Studioに格納されています。Open AI ServiceやAzure AI Searchなどのサービスがあり、豊富なモデルやサービスに直接アクセスできるため、運用環境にすばやく移行できます。
高度なデータサイエンス、カスタムモデル開発、ライフサイクル管理のためのAzure Machine Learningも提供しています。
Azureの強力なスーパーコンピューティングシステム上に構築されており、最も要求の厳しい複雑なAIプロジェクトを実行するために必要なものがすべて揃っています。
一般提供:GPT-4o
Day1でも発表がありましたが、GPT-4oの一般提供が開始しました。これによって画期的なアプリケーションを構築することができます。
Azure Open AI ServiceはMicrosoftの主力製品の1つであり、利用者の3分の1以上がAzureを初めてご利用いただくお客様です。
アナウンス:Azure Open AI Batch Service
Azure Open AI ServiceのBatch Serviceを50%割引にすることをお知らせします。Batch Jobは24時間以内に処理され、結果としてコスト削減に繋がります。これにより、手頃な価格でより多くの可能性を提供できます。
Azure AI Search
Azure AI Searchは、Azure Open AIを含む大規模な顧客アプリケーションをサポートしており、Fortune500の半数以上で使用されています。コストやパフォーマンスを損なわない設計にしており、新しく作成された検索サービスでは、追加コスト無しでAzure AI Search Vector Indexを以前の最大12倍までスケーリングできるようになりました。
AI safety and security
最も重要な要素の1つとして、Copilot Stackは堅牢なセキュリティを注入しており、システム全体が安全でセキュアな設計になっています。
ユーザープロンプトが関連データと組み合わされ、システムが新鮮で正確で高品質の応答を提供できるようにします。セキュリティにおいては、これらすべてをスキャンし、プロンプトインジェクション攻撃などの問題のある入力を探し、モデルやシステムの到達を防ぎます。
次に、システムを監視して、効果的に機能していることを確認し、進行中の攻撃をシャットダウンします。これらの多くがAzure AIプラットフォームに組み込まれています。カスタマイズしてセキュリティを管理するツールも提供しています。
AI safety and securityは、問題をリアルタイムで検出して、望ましくないAIシステムの動作を防ぐセキュリティです。
アナウンス:Build secure and stay secure
AIがすべてのアプリケーションの一部になるにつれて、ソフトウェアと同じようにAIを管理・監視できることも重要です。モデルカタログ内の開いているモデルをHidden Layer Model Scannerでスキャンすることで、開発者は安全であることを確認できます。
事例:EpicのAI活用
ヘルスケアテクノロジーのリーダーであるEpicの事例をご紹介します。世界中の病院、診療所、ヘルスケアシステムで広く活用しているそうです。AIの活用のユースケースは60以上ということですが、世界中の患者と医師の効率とケアの質を向上させる上で大きな進歩を遂げています。2つのシナリオをご紹介します。
シナリオ①:医師と患者のコミュニケーションシステム
100を超える施設で患者とのコミュニケーションシステムを導入しており、患者とのメッセージのやりとりにおける、関連する詳細やアドバイスを含むメッセージを提案してくれます。スタンフォード大学では医師の燃え尽き症候群が17秒減少し、メイヨークリニックでは看護士が各メッセージに費やす時間が30秒短縮されました。
シナリオ②:患者データの分析
自然言語とAIを使用してインテリジェントな洞察を明らかにし、医師が大量の患者データを迅速に分析できるよう支援しています。
以上、Day2のキーノートまとめの前編でした。続きは、次のブログでご参照ください。
この記事を書いた人
- 小杉 明恵
- マーケティング担当として、Azureを中心に情報を発信しています。
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