1. はじめに
皆さんこんにちは。
今回はDatabricksのVIEWを紹介いたします。DatabricksのVIEWの利用用途は他のRDBMSと同じです。
・ビューを用いることで、複雑なクエリを簡単な形に抽象化できます。ユーザーはビューにクエリを実行するだけで、複数のテーブルから必要な情報を効率良く取得できます。
・ビューを使って、ユーザーが見ることができる列や行を制限することができます。これにより、データのセキュリティが向上します。
今回は以下の内容について説明していきます。
・DatabricksでVIEWを作成する方法
・DatabricksでVIEWの使用時にパフォーマンスを強化する方
・VIEWのアクセス権限を割り当てする方法
・メダリオンアーキテクチャにてVIEWを使用するサンプル
2. 必要条件
本記事のサンプルを実施できる必要条件を説明します。
・Premium レベルの Azure Databricks ワークスペースが必要です。
・ユーザーはカタログの USE CATALOG 権限、およびスキーマの USE SCHEMA 権限を有している必要があります。
・ビューがワークスペース ローカルの Hive メタストア内のテーブルを参照している場合、そのビューにアクセスできるのは、ワークスペース ローカル テーブルが含まれるワークスペースからに限られます。 そのため、Databricks では、Unity Catalog メタストア内にあるテーブルまたはビューからのみビューを作成することをお勧めします。
・ビュー作成の必要条件を参照してください。
3. VIEWの作成方法
今回は、「tpch」スキーマというDatabricksのサンプルデータを使用します。
会社の総収益を分析するビューを作成します。custkeyフィールドを使用して、order 及び customerテーブルを結合します。
order 及び customerテーブルの構成は以下の通りです。
新規Notebooksを作成し、以下のコマンドを実行してVIEWを作成します。
文法 | ||
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サンプル
例 | ||
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コマンドの実行結果は以下の通りです。
VIEWの作成が成功しました。VIEWのSELECT文の結果が表示されます。
目的のデータを取得する際、JOIN句を使用するより、あらかじめ結合済みのVIEWからデータ取得するほうが簡単です。
JOIN句を利用したSQL | ||
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VIEWを使用してSQL | ||
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クエリ結果が同じです。
4. VIEWアクセス権限の割り当て方法
Databricks ワークスペースの Data explore UI、または NotebookでVIEW権限を割り当てることができます。
Databricks ワークスペースの Data explore UIでVIEWアクセス権限の割り当て方法は、以下の通りです。
Data explore タブに移動する > Unity Catalog > Schema > VIEWを開く。VIEWの概要メニューで「Permission」タブにアクセスします。
「Grant」ボタンをクリックします。
グループ・ユーザーを選択して、SELECTの権限にチェックを入れます。「Grant」ボタンをクリックします。
以下のコマンドを実行して、Databricks workspaceでVIEWのアクセス権限を割り当てします。
文法 | ||
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以下のコメントを実行することで、VIEWのアクセス権限割り当ての実行結果を確認できます。
[SHOW GRANTS ON VIEW <view-name>]
動的VIEW
動的VIEWは、ユーザー毎に行列レベルのアクセス権限を割り当てることができます。
注意事項:Single User アクセスの クラスターでは動的VIEWは稼働できません。
列アクセス権限について
文法 | ||
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以下の例では「data-analyst-gr」のユーザーである場合、「c_custkey」カラムの値が表示されます。それ以外、「c_custkey」カラムの値が「REDACTED」となります。
以下のコマンドを実行して、「data-analyst-gr」のユーザーに対して「c_custkey」カラムの値を確認します。
「data-analyst-gr」グループにVIEWのSELECT権限を割り当てます。
「data-analyst-gr」ユーザーではないので、「c_custkey」フィールドの 値が「REDACTED」となります。
「data-analyst-gr」ユーザーであるので、「c_custkey」フィールドの値が表示されます。
行アクセス権限について
文法 | ||
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以下の例では 合計金額の100000以上の行が「data-analyst-gr」ユーザーのみに表示されます。
「data-analyst-gr」ユーザーにVIEWのSELECT権限を割り当てます。
「data-analyst-gr」ユーザーではない場合、合計金額の100000以上の行が表示されません。
「data-analyst-gr」ユーザーである場合、合計金額の100000以上の行が表示されます。
5. VIEWのパフォーマンスの最適化方法
VIEWを作成する際に、インデックスを作成している列でテーブルを結合するとレスポンスがよくなります。
「Customer」テーブルの「c_custkey」列に対して Z-order インデックスを作成します。
「Orders」テーブルの「c_custkey」列に対して Z-order インデックスを実行します。
Z-orderを作成した後の検索:1.06秒
Z-orderを作成する前の検索:1.18秒
VIEWを使わない:1.94秒
6. メダリオンアーキテクチャにてVIEW使用のサンプル
Databricksのホームページに掲載された図から、レイヤーごとに分かりやすい例を含む図を提供します。
Databricksのサンプルデータは シルバーレイヤー(silver Layer)なので、今回はデータをシルバーレイヤー(Gold layer)からゴールドレイヤーまでフィルタリングする方法について説明していきます。VIEWを使用してレポートを出力します。
・クエリ分の複雑さを陥落します。
・VIEWのデータ管理がしやすくなります。
会社の総収益のレポートを取得します。 レポートの目的によってデータの抽出方法が異なります。
silver layerの既存テーブル:
データ分析のために、Silver layerの3NF(第3正規形)テーブルをStarスキーマ構造のテーブルに変換します。
Gold layerのStarスキーマ構造のテーブル
会社の総収益のレポートを出力しるためのVIEWのフィールドが次のように含まれます。
データを変換します。
実際には、DIM 、およびFact テーブルに毎日データが追加されますが、今回はVIEWの作成に関する説明であるので、旧テーブルに基づいて新規テーブルを作成します。 データ変換について実践例は別途で説明します。
「orders」テーブルのデータから「order DIM」テーブルのデータに変換します。「order DIM」テーブルから「o_custkey」フィールドを削除します。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
Unity Catalogにデータをコピーします。
customerテーブルをコピーします。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
nationテーブルをコピーします。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
Factテーブルを作成します。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
VIEWを作成します。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
レポートを取得します。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
グループ・ユーザーのアクセス権限を割り当てます。
コマンド | ||
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コマンドの実行結果
7. まとめ
・DatabricksでのVIEWの機能は、RDBSでのVIEWの機能と同じです。
‣ クエリの複雑さを下がります。
‣ データの管理がしやすくなるために、ユーザーの権限を割り当てます。
・DatabricksでのVIEW作成構文は、RDBSでのVIEW作成構文と同じです。
・Databricksに動的VIEWがあります。動的VIEWが基本的にVIEWですが、グループ・ユーザーに応じてVIEWのカラム・行のアクセス権限を割り当てることができます。
・注意事項:
‣ VIEWを作成する時に、クラスタリングしているフィールドでテーブルを結合した方が良いです。
‣ VIEWがワークスペース ローカルの Hive メタストア内のテーブルを参照している場合、そのVIEWにアクセスできるのは、ワークスペース ローカル テーブルが含まれるワークスペースからに限られます。 そのため、Databricks では、Unity Catalog メタストア内にあるテーブルまたはVIEWからのみVIEWを作成することをお勧めします。
今回の記事が少しでも皆さんの新しい知識や業務のご参考になれば幸いです。
日商エレクトロニクスでは、Azure Databricksの環境構築パッケージを用意しています。
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この記事を書いた人
- tungth
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