VMware vSphere環境の
クラウド化Microsoft Azureでの実現方法
大規模なオンプレミスVMware vSphere環境の運用負荷を軽減したい…とお考えの方向けに、Microsoft Azureで実現できるクラウド移行方法について解説します。
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VMware vSphere環境を
クラウド化する
2つの方法
VMware vSphere環境のクラウド化をAzureで実現するには、
「Azure VMware Solution(AVS)」もしくは「Azure IaaS」を活用する2つの選択肢があります。
両者はそれぞれ移行手法やコスト、対応OSなどが異なるため、
両者を比較したうえで自社や各システムの要件にあった選択が必要となります。
2つの選択肢 比較表
Azure VMware Solution | Azure IaaS | |
---|---|---|
移行手法 |
|
|
コスト | VMware vSANベースであり、3ノード以上の構成となる。 複数のサーバーを集約可能であれば、Azure IaaS VMよりコストを下げることができる。 | 仮想マシン1台単位からの課金となるため、数台から構成される小規模なシステムでもコストメリットがある。 |
対応 OS | 最新のOSに加え、Windows Server 2000, 2003などのレガシーOSにも対応 | Windows Server 2008/2008 R2以降に対応 ※Windows Server 2003/2003 R2に関しては、CSA(カスタムサポート契約)が必要 |
特典 | 以下の各種特典が利用可能
|
選定のための
チェックポイント
以下の項目に1つでも当てはまれば、
AVSがおすすめです。
- アプリケーション側でIPアドレスをハードコーディングしており、アプリケーションに影響があるためIPアドレスを変更したくない。
- 複雑に仮想サーバーを展開しており、仮想サーバーの停止可否がわからないため、業務で使用しているサーバーを無停止で移行したい。
- 運用を変えたくない、vCenterやNSX-T Managerを継続使用したい。
- アプリなどが最新OSに対応していないため、Windows Server 2000、2003などのレガシーOSをそのまま継続使用したい。
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AVS
IaaSへの移行・改修が難しい
VMware VMワークロードの移行
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Azure IaaS
新しいVMや移行可能な対象は
IaaSで稼働
既存VMについて「移行前後でのIPアドレス維持」や「ダウンタイムなしでの移行」
「IaaSで稼働できないレガシーOSの移行」など、 IaaSへの移行が難しいケースもあります。
これらの要件にも、AVSであれば対応することができます。
一方で新規VMや移行可能なVMについては、Azure IaaSで稼働させます。
新規で開発するアプリケーションについてはPaaSを利用することで、運用工数の削減にもつながります。
Azure VMware Solution
(AVS)とは
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Azure VMware Solution(AVS)は、Microsoft Azure内で提供されるVMwareの仮想環境です。
お客様ごとにシングルテナントとして提供されるため、他のお客様のインフラストラクチャから物理的に分離されます。
Microsoftが提供するソフトウェアの各種特典を活用することができ、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の無償提供や割引を受けることができます。
AVSの主な特徴は以下の通りです。
AVSの主な特徴
特徴1オンプレミスのVMware vSphereと高い互換性を備える
vSphere ClientをはじめとしたVMwareの機能をオンプレミスと同様に利用することができます。
これにより、管理者はクラウド環境においてもオンプレミスと変わらない使い慣れた方法で運用を実現できます。社内で蓄積してきたスキルセットが無駄になることはありません。
特徴2IPアドレスやMACアドレスを維持したまま、仮想マシンを移行
HCXの「L2延伸」機能により、オンプレミスの既存ネットワークセグメントをそのままクラウドへ拡張することができます。また、WAN最適化により、帯域の消費を抑えることも可能です。
特徴3最小のダウンタイムで移行
HCXのHCX vMotionやBulk Migrationなどにより、オンプレミスからAzureへワークロードのマイグレーションを行うことができます。HCX vMotionでは、vSphereのバージョン差異の吸収が可能です。また、Bulk Migrationでは大量のVMを同時移行することができます。
\ AVSについてより詳しく知りたい方は
資料もご参考ください /
ユーザー事例AVSでvSphereの
クラウド化を実現A社(通信業)が実施した
3つのポイント
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A社(通信業)
- 従業員数:約1000名
- オンプレミスで物理サーバ50台、vSphere環境に仮想サーバ130台を保有
- ミッションリティカルなワークロード、レガシーOSのシステムが稼働
- 物理サーバーの管理・メンテナンスの改善
- 仮想化基盤のバージョンアップ対応
- OSのパッチ適用作業
- 自社システム資産の圧縮
AVSでクラウド化を実現運用工数30%削減、DXの促進などの効果を得られました
A社がvSphereクラウド化の
検討時に押さえていたのは技術面、運用面、コスト面
という3つのポイントです。
point 1技術面
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移行対象のシステムがどちらの方法に向いているかどうかは、事前にアセスメントを実施することで判断できます。
アセスメントにより、移行に伴うシステム上の課題の洗い出しや、実際のIT環境を可視化したうえでのコスト算出などの効果を得ることができます。
point 2運用面
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移行により、運用体制を維持・改善できるかを確認します。A社では、当社が実施したワークショップにより、運用体制の改善可能性を事前に確認しました。VMwareの運用ノウハウやスキルセットを生かせることや、AVSの実際の運用イメージを確認できました。
point 3コスト面
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A社ではいくつかのコスト削減施策を実施しました。
1つは、お客様自身での本番環境の移行です。また、一部はIaaSで構築することにしました。
ファイルサーバー用途のものはPaaSも活用し、コスト削減を実現。さらに特典の予約インスタンスで、トータルコストを53%削減しました。
vSphereクラウド化について
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