
本記事のポイント
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- Broadcom による VMware 買収を受け多くの企業が移行を検討しているが、コストだけで選ぶと課題が生じる可能性がある
- 最適なVMware 移行先を選ぶためには自社要件に合わせて総合的に判断するのが大切
- HCI・パブリッククラウド・VMware 互換基盤・VMware 継続、それぞれ異なる強みと注意点がある
「そろそろ VMware の更新時期が近づいているけれど、正直どうしたらいいのか分からない…」そんなお悩みを抱えていらっしゃる情報システム部門の方、多いのではないでしょうか?Broadcom による買収以降、ライセンス体系や価格が大きく変わり「これまで通り」が難しくなってきていますよね。
本ブログでは、そんなお悩みに寄り添いながら、VMware からの移行を検討する際に押さえておきたいポイントや、代表的な移行先の選択肢についてご紹介していきます。
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目次
1.なぜ今、VMware からの移行を検討する企業が増えているのか
BroadcomによるVMwareの買収以降、多くの企業で仮想化基盤の見直しが進んでいます。 その背景には、ライセンス体系や価格モデルの変更により、従来と同じ環境を維持する場合でもコストや契約内容を改めて検討するケースが増えています。
VMwareの具体的な変化は以下の通りです。
- これまで主流だった買い切り型(永久ライセンス)の提供が終了し、サブスクリプションモデルへと移行
- 「VMware Cloud Foundation(VCF)」や「VMware vSphere Foundation(VVF)」といった複数の製品群をまとめたパッケージ形式での製品提供
- CPU ソケット単位から「CPU コア単位」での課金へ変更
そこで次のようなチェック項目に当てはまる企業では、VMware継続だけでなく、代替製品も含めた比較検討を進めるタイミングといえるでしょう。
VMwareの代替製品を選ぶ際に陥りやすい失敗
VMwareの移行先を検討する際、多くの企業が最初に行うのは「代替製品の比較」です。 しかし、製品比較だけで移行先を決めてしまうと、導入後に想定外の課題が発生することがあります。
| よくある失敗 | 発生しやすい課題 |
| ライセンス費用だけで選ぶ → | 運用方法が大きく変わり、管理工数が増える |
| 機能だけを比較する → | 既存システムとの互換性に課題が見つかる |
| クラウド移行を前提に選ぶ → | オンプレミス環境との連携が複雑になる |
| 短期的なコストだけで判断する → | 将来的な拡張や保守コストが増える |
Broadcomによる買収をきっかけに、「ライセンス費用を抑えられる製品を探したい」と考える企業が増えました。しかし、価格だけで移行先を選んでしまうと、運用方法の変更や既存システムとの互換性など、新たな課題が発生する可能性があります。 移行後も安定した運用を実現するためには、まず自社の現状や将来のIT戦略を整理し、それに合った移行先を選ぶことが大切です。
2.VMwareの代替製品を選ぶ前に確認したいポイント
“最適な移行先を選ぶためには、自社要件を整理しましょう”
「何から手をつければいいのか分からない」という方も、ここで一緒に整理していきましょう。VMwareの代替製品を比較する前に、まず整理したいのが「自社が仮想化基盤に求める要件」です。
① インフラ運用で解決したい課題は何か
まずは、今回の移行で何を実現したいのか、優先度も合わせて整理しましょう。「何を優先したいのか」を明確にすることで、比較すべき製品も自然と絞り込みやすくなります。
| 実現したいこと(例) | 検討のポイント |
| ライセンスコストを抑えたい | 初期費用だけでなく、将来的な運用コストも含めて比較する |
| 現在の運用をできるだけ変えたくない | 現行の運用スキルや技術者の知識をどこまで流用できるか、既存の運用手順や管理ツールを活用できるか確認する |
| クラウド活用を進めたい | クラウドとの連携や拡張性を重視する |
| インフラ全体を刷新したい | HCIなど、新しいアーキテクチャも検討する |
② 現在のVMware環境を把握する
移行を成功させるためには、現在の環境を正しく把握することも大切な準備の1つです。業務への影響が大きいシステムほど移行方法や移行順序を慎重に検討する必要があるので、移行リスクも考慮しましょう。例えば、次のような項目は事前に確認しておきたいポイントです。
| 確認項目 | 例 |
| 仮想マシン数 | 何台稼働しているか |
| 利用しているVMware製品 | vSphere、vSANなど |
| 重要システム | 基幹システム、業務システム、開発環境など |
| OS構成 | Windows、Linuxの割合 |
| バックアップ・DR | 現在の運用方法を継続できるか |
| 移行リスク | どこまでダウンタイムを許容できるか |
③ 現在の運用体制を確認する
製品選定では見落とされがちですが、運用体制も重要な判断材料といえるでしょう。
- オンプレミス環境の運用・保守を外部ベンダーへ委託している
- 社内に仮想化基盤の担当者が少ない(リソース不足)
- 障害対応を迅速に行う必要がある
このような企業では、導入後も運用しやすい製品や、サポート体制が充実したソリューションが適しているかもしれません。 一方で、自社で運用を内製化できる体制がある場合は、オープンソースを活用した選択肢も視野に入ってきます。
VMwareからの移行先・代替製品の選定では、「どの製品が優れているか」ではなく、自社要件に合わせた複数の観点から総合的に評価することが大切です。要件整理の段階で、移行後の運用や将来のIT戦略まで見据えておきましょう。
3.要件別でみるVMwareの主な移行先|代替製品を比較
ここでは、代表的な4つの選択肢を『どのような企業に向いているか』という視点で比較してみましょう。それぞれの特徴を知ることで、「自社に合うのはどれだろう」というイメージが少しずつ湧いてくるはずです。
まずは全体像を比較
| 選択肢 | コスト | 運用変更 | 拡張性 | 向いている企業 |
| HCI(Nutanix) | △ (初期コスト高) |
△ | ◎ | 30VM以上のオンプレ環境で運用負荷を軽減したい企業 |
| パブリッククラウド (Azure等) |
○ (従量課金) |
× | ◎ | クラウド活用・データAI活用を推進したい企業 |
| VMware互換基盤 (VME) |
◎ | ◎ | ○ | 運用を大きく変えずにコストを最適化したい企業 |
| VMware継続 共存 |
△ | ◎ | ○ | ミッションクリティカルなシステムなど、すぐに移行できない企業 |
※評価は一般的な傾向です。実際にはシステム構成や要件によって異なります。
① HCIへの移行
“オンプレ環境の運用効率や拡張性を重視したい企業におすすめ”
HCI(Hyper-Converged Infrastructure)は、サーバー・ストレージ・ネットワークを専用ソフトウェアを用いて汎用サーバ内に統合した仮想化基盤です。ハードウェア削減により運用負荷が下げられるほか、スモールスタートから柔軟にスケールアウトできる点が魅力といえるでしょう。
このような要件がある企業に向いています
- オンプレミス環境の運用負荷を軽減したい
- セキュリティやレイテンシーの要件からクラウド利用が難しい
- 30VM以上のオンプレミスVMware環境を運用している
HCI の代表格である Nutanix は、無償の独自ハイパーバイザー「AHV」を提供しており、VMware の有力な代替候補となります。管理機能の「Prism」による直感的なインフラ運用と、移行ツール「Nutanix Move」を用いた低ダウンタイムでのスムーズな VMware からの移行が特徴です。

※HCI採用のメリットと注意点はこちらの資料をご覧ください。
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② パブリッククラウドへの移行
“クラウド活用を推進したい企業におすすめ”
AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどのパブリッククラウドへ移行する方法です。 例えばAzureでは、クラウド上のネイティブインスタンスを利用する方法のほか、各クラウドベンダーが提供する VMware 仮想環境を利用する方法も選択できます。
このような要件のある企業に向いています
- ハードウェア更改や保守対応から解放されたい
- B to C向けなどアクセス数の変動が大きいサービスを運営している
- AI・データ分析などクラウドネイティブなサービスを活用したい
「リフト&シフト」とは、既存のVMをほぼそのままの状態でAzure VM上に移行する手法です。Windows ServerやMicrosoft 365を利用中の場合、その高い親和性と運用の容易さから MicrosoftのパブリッククラウドであるAzureが有力な移行先です。

※パブリッククラウド採用のメリットと注意点はこちらの資料をご覧ください。
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③ VMware互換基盤への移行
“現在の運用をできるだけ維持したい企業におすすめ”
KVM(Kernel-based Virtual Machine)などの実績あるオープンソースベースの仮想化技術を採用しつつ、運用方法を大きく変えずにライセンスコストの最適化を図りたい場合は、VMware互換基盤も有力な選択肢です。
このような要件のある企業に向いています
- VMwareの基本機能をメインで活用しており、高度な機能までは不要である企業
- ライセンスコストを削減したい企業
- 既存のハードウェア資産を可能な限り延命・再利用したい企業
- 運用方法をできるだけ変えたくない企業
HPE が提供する「HPE Morpheus VM Essentials (VME)」は、KVM ベースのハイパーバイザーを備えたコストパフォーマンスの良い仮想化基盤です。VMware 同等の主要機能を満たしつつ、高騰するライセンスコストを抑えることができます。

※VMware互換基盤採用のメリットと注意点はこちらの資料をご覧ください。
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④ VMwareを継続するという選択肢
“移行が難しい企業では継続が適している場合も”
新しいサブスクリプションライセンス体系を受け入れ、既存の VMware 環境をそのまま使い続けるという選択肢です。すべての企業がすぐに移行すべきとは限りません。ミッションクリティカルな基幹システムが稼働している場合や、現行の VMware 環境に深く依存した独自の運用自動化プロセスが構築されている場合、無理に他環境へ移行することで生じる開発・検証コストやシステム停止リスクの方が、ライセンス増加分を上回ってしまうケースもあるからです。
このような要件のある企業に向いています
- ミッションクリティカルなシステムがVMwareの機能に依存している
- 段階的な移行を予定しており、一時的にVMware環境を維持したい
※VMware継続のメリットと注意点はこちらの資料をご覧ください。
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フローチャートで自社に合った移行先を整理しよう
ここまで、VMwareの代表的な移行先と代替製品をご紹介しました。移行先を比較しても、「結局、自社にはどれが適しているのか判断が難しい」と感じる方もいらっしゃると思います。そこでオススメなのが、移行先を判断するためのフローチャートの活用です。 ブログでは紹介しきれなかった代替品のメリット・特徴・注意点なども含めてご確認いただけるのでぜひお役立てください。

VMwareの代替製品には、それぞれ異なる強みや注意点があります。各選択肢の特徴を含めた「全体像」を客観的に把握し、 自社に最適な基盤を比較検討しましょう。
\フローチャートで判断したい方はこちら/
4.まとめ|失敗しないVMware移行には要件整理、
移行計画も重要
VMwareからの移行先にはさまざまな選択肢があり、大切なのは、自社のシステム要件や運用体制、将来のIT戦略を整理した上で、最適な移行先を選ぶことです。 本記事でご紹介したポイントを改めて整理します。
また、移行先の選定と同じくらい大切なのが、「どのように移行を進めるか」という移行計画です。 たとえ自社に適した製品を選んだとしても、移行対象の整理や優先順位付け、ダウンタイムを考慮したスケジュール設計などが不十分だと、業務への影響や想定外のトラブルにつながる可能性があります。 そのため、VMware移行を成功させるには、「何に移行するか」だけでなく、「どのように移行するか」まで含めて検討しましょう。
『VMwareからの移行完全ガイド』で疑問を解消!
本記事では、VMwareの主な移行先や選び方をご紹介しましたが、実際の検討では次のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
- 自社に最適な移行先をどのように判断すればよいのか
- 移行プロジェクトはどのような手順で進めればよいのか
- 移行時に押さえておくべき注意点は何か
こうした疑問にお応えするために、「VMwareからの移行完全ガイド」をご用意しています。STech Iはこれまで、Azureへの移行支援400件以上、HCI基盤の構築・移行支援1,000台以上という実績を積み重ねてまいりました。こうした豊富な経験の中で得られた知見や、実際のご相談でよくいただく疑問への回答も、このガイドに詰め込んでいます。ぜひこちらの資料もあわせてご確認いただき、焦らず、一歩ずつ検討を進めていただければと思います!
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- 自社に合った移行先を判断するためのフローチャート
- 各移行先のメリット・注意点・選定ポイント
- VMware移行を成功させるための進め方
- 移行計画を立てる際に押さえておきたいポイント
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よくある質問
Q.VMwareから移行するタイミングはいつが適切ですか?
A. 一般的には、ライセンス更新やサーバー更改のタイミングで検討する企業が多く見られます。また、BroadcomによるVMware買収後のライセンス体系変更を受け、更新時期を待たずに代替製品の情報収集を始める企業も増えています。
Q. VMwareの代替製品にはどのような選択肢がありますか?
A. 代表的な選択肢には、HCI(Nutanixなど)、パブリッククラウド(Microsoft Azure、AWSなど)、VMware互換基盤(HPE Morpheus VM Essentialsなど)、VMwareを継続利用する方法があります。どの選択肢が適しているかは、ライセンスコストだけでなく、現在の運用体制やシステム要件、将来のIT戦略によって異なります。
Q. VMware移行で失敗しないために重要なポイントは何ですか?
製品の機能や価格だけで判断しないことが重要です。まずは、自社の目的や運用体制、システム構成を整理したうえで、複数の選択肢を比較検討しましょう。また、移行先の選定だけでなく、移行対象の優先順位やスケジュール、移行後の運用まで含めて計画することが、VMware移行を成功させるポイントです。
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この記事を書いた人

- Azure支援デスク 管理者
- 双日テックイノベーション(旧:日商エレクトロニクス)特設サイト「Azure導入支援デスク」サイトマスターです。

