はじめに
日商エレのAzureマーケティング担当です。
2018年7月16日~19日にLas Vegasで開催された「Microsoft Inspire & Build 2018」に参加させて頂きました。Las Vegasは3年前に参加したVMworldに次いで2度目。相変わらず建物の外は暑く、中はクーラーで極寒なハードな環境でしたが、盛りだくさんのコンテンツで非常に満足度の高いイベントでした。
目次
Microsoft Inspireに参加してきました!
Microsoft Inspireとは、Microsoft社のパートナー向けイベントという位置づけで、
特にMicrosoft社のビジョンを伝え、パートナーソリューションをコネクトし、ビジネスを拡張する、
といった趣が強いイベントです。直近で参加した、Microsoft Ignite@OrlandoやBuild@Seattleといったイベントであれば、CEO Satya Nadella氏のキーノートセッションの後、Scott Guthrie氏からの溢れんばかりの製品アップデートが行われますが、Inspireは違います。Microsoftのパートナーアワードや、MicrosoftのFY19(7月~)に向けた方針などが発信され、パートナーエコシステムのさらなる強化を促すイベントになっています。
また、今年からは初の試みとして、Microsoft Inspireと、Microsoft社内向けKick offイベント “Ready”がクロスオーバー。Microsoft社員・パートナーに向けて同社のFY19 施策を発表します。
さっそく盛り上がりをみせる会場内
Key Note(本イベントではCore Noteとよばれていました)は、T-Mobile Arenaで行われます。
その後、各セッションを受けるのはMandalay Bay Convention Center。T-MobileからMandalay Bayまではシャトルがでますが、T-Mobileに近いホテル(New York New Yorkなど)がベスト。
T-Mobileでは、Core Noteの前に様々な演出が行われ、イベントを盛り上げます。
座席は国ごとにセクションが別れてパートナー間でのコミュニケーションを促す仕組みがとられています
初日、二日目はCorporate Vice PresidentのGavriella Schuster氏が登壇し、FY18を乗り切るために一役も二役も買った全世界のパートナーに向け感謝の意を述べつつ、ちょうどイベント中に行われていたWorldcupにちなんで?Microsoft Partner選手権が行われました。
最もCustomer WinのGrowthの高かった国、、、、モロッコが優勝!!驚異の162%増!!
Microsoftにとって昨年度となるFY18は、パートナーの活躍もあり、Microsoft 365、Azure、Windows10、Dynamicsなど軒並み絶好調。MicrosoftパートナーであるCSP(Cloud Service Provider)の数は年間で234%近く増加しており、今後ますますパートナーエコシステムは盛り上がりを見せると予想されます。
これからのMicrosoftの注力エリアは?
- Azureプラットフォームである”Application & infrastructure”
- M365につながる”Modern Workspace”
- AIやMLの普及によりがますます盛り上がりを見せている“Modern Life”、”Data&AI”、”Business applications”
- ゲーム大国の日本や韓国では、さらなるビジネス拡大が期待される”Gaming”
FY19に注力されるソリューションエリア
昨年9月のIgniteから、連続して大きなイベントに参加させていただいていますが、大きな方向性としてはブレがなく一貫性のあるメッセージ。ただ、その中でも特に、AIやMLを活用したソリューションへの力の入れ方がどんどん大きくなってきている印象を受けました。
Core Noteではデンマークに本社をおくCarlsberg社のDigital Transformationの事例を紹介
既存のオンプレミスIT基盤で稼働していたSAPやSQLは、Azureへすでに移行済み。
オンプレミスで稼働するサーバーは厳選し、極力物理機器を排除。
様々なデータがクラウド上に集約されることで、Azureが提供するAIやMLサービスを活用した効果が最大化。これまでは人の手を介していたビールの管理もスマートKeg(アルコールを入れる円筒状の容器)を活用し、もっと楽な管理で、ビールの鮮度はもっと新鮮になる仕組みを取り入れている。
また、Teamsを始めとするM365が提供するコラボレーションツールを活用し、モダンなワークスタイルを実現。
スマートなKEGを用いた装置
社内で利用しているTeams
全世界のMicrosoftパートナーが集まる展示場
Microsoft社のイベントに参加している中で一番感じるのは、展示会場がとても盛り上がっていること。
特に今回のイベントでは、パートナー同士でConnectする意識が強いため、ただの製品紹介にとどまらず、日本市場でのビジネス動向や、パートナーシップを結んだ場合のイメージなどについて、積極的に聞かれることも少なくなかったです。※ただ、他のイベントよりもノベルティーがあんまりもらえなかったのは気のせいか、、、
展示会開場前で少し落ち着き気味
国ごとの参加者人数やTwitterでのトレンドなどがリアルタイムで表示
展示会場内には、ミーティングスペースが多く設けられているので、出展企業とのミーティングはとても実施しやすい環境でした。なお、各国ごとにテーブルスペースがあり、こちらでミーティングの実施は可能。本イベントに参加していないベンダー様とイーティングする機会があったのですが、受付に相談すると快く入れてくれました。このあたりはとても柔軟です。
CEOがAI活用とモダンワーク実現を発表
3日目のCore NoteにCEO Satya Nadella氏が登壇
待ちに待った、という雰囲気で、会場は満席。Satya氏が現れると、スタンディングオベーションが沸き起こりました。Satya氏のセッションでは、Microsoftのフォーカスエリアに対するアプローチについて再度ふれ、Blue Metal社のAI / ML活用やTOYOTAの倉庫内のフォークリフト自動運転引き合いにだし、AIが持つポテンシャルを改めて述べました。(個人的にはAI/ML/IoTなどへのソリューションへのメッセージが強かったように感じました)
また、モダンワークについても、Yammer、Teamsのカラーの違い(広い範囲に向けた情報発信はYammer、プロジェクト単位などの範囲ではTeams)などを交えつつ、5月に実施されたBuildと同様のデモを実施。
VRなども交えた、Microsoftが目指すModern Workplaceの方向性が示されました。
※Buildで見ていたので、何か革新的な進歩を少し期待してしまいました、、
コラボレーションツールの使い分けイメージ
参加者の発言を自動的に記録
やはりWindows移行ツールに興味あり!
今回のイベントでは、AzureやMicrosoft 365などの革新的機能アップデート、というような大きな発表は特になく、
どちらかというと、3rd Party ベンダーが展示しているソリューションが興味深いものが多くありました。
とにかく展示数が多いので、あくまでも主観ですが、Windows Server 2008やWindows 7のEOSで活用できそうな移行ツール、Microsoft 365のマネージメント/バックアップソリューションなどは今ご興味を持つお客様も多く、色々と話を聞きました。
Microsoftのセミナーでは、如何にパートナーとしての練度を上げていくか、といったトレーニング要素のあるセッションもあり、これはInspireならでは。Microsoftパートナーを目指す日商エレとしては、引き続き来年も参加し、しっかりと情報収集していかなければ!(来年もラスベガスなようです)
観客の興味度合いが分かってしまう!
Microsoft西脇氏が実施したデモ「現在のセッションの様子をAzureとPower BIで」がとてもおもしろかったのでご紹介します。
この4K スマートカメラで会場の様子を撮影しており、セミナー中の参加者の表情や仕草からセッションへの興味を図る、というものです。
4Kのスマートカメラ。Azureと接続されている
撮影した情報を、Power BIで視覚化すると、どのあたりに座っている人が、どういう仕草をしており、それが何を意味するのか、をグラフィカルに示します。前列はポジティブな反応、後ろの特定エリアは下を向く頻度が多くネガティブな反応、などをわかりやすく示してくれます。また、「いつ」の反応かも特定できるので、誰のセッションの時のリアクションかということもトラッキング可能です。(ネガティブな場合、嬉しくないかもしれませんが、、、)
このアプローチは、カメラ・Azure Cognitive(Face API)・Power BIで実装でき、エンターテイメント・学術・公共機関・店舗など、様々なところで、お客様の反応を図るために活用ができるソリューションになりえます。
感情の数値化
Power BIで会場の参加者の仕草を視覚化
さいごに
イベントの1日目、2日目は、なんとなくAzure Infrastracture自体に関するメッセージは引き気味な印象をうけていました。
ただ、3日目にSatya氏がリクルート中の学生に言ったというフレーズ「If you want to be cool, go out.If you want to make other to be cool,come Microsoft」を聞いたとき、Azureは結局プラットフォームで、そこで何を実現するのか?が最も重要。そして、実現するためには、Microsoftパートナーのソリューションが欠かせないので、Azure Infrastructureが引き気味に感じたのは、それが正しかったと革新しました。
これからも、
「お客様が実現したいこと」にしっかりと耳を傾け、
Make my customer to be coolを肝に銘じて
Azureを多くのお客様に使って頂けるように全力投球していきます
最後に、今回実は初めてグランドキャニオンに行く機会がありました。
これ、みなさん是非行くべきです。
来年Inspire@Las Vegasに行かれる方は、是非ご検討ください。
Microsoft Azureについて詳しくはこちら
https://cloud.sojitz-ti.com/
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この記事を書いた人
- Azure導入支援デスク 編集部
-
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