「このままの働き方を続けて、5年後も満足できるだろうか?」
もし、あなたが情シス担当者なら、少し未来の自分を想像してみてください。
システム関連のチームを指揮する立場なら、管理するチームのこれからの姿を想像してみてください。
今と同じように、システムトラブルの対応や運用保守、問い合わせ対応に追われている姿でしょうか。それとも、IT戦略を担い、経営層と並んで議論できる存在になっている姿でしょうか。
情シス(情報システム部門)の役割は「IT環境を支える」だけにとどまりません。「ITを活用して企業を成長させる」存在へ進化することもできるのです。そのために、今何をすべきかを考えてみましょう。
目次
なぜ情シスは「戦略的な役割」にシフトできないのか?
情シス担当者が、日々の業務に追われて新しいことをする余裕がなくなっている。現状、そのようなケースは多く存在します。
・トラブル対応やヘルプデスク業務で手一杯
・将来のIT戦略や改善策を考える時間がない
・「とにかくこなす」業務が中心で、スキルの幅が広がらない
こうした状況では、「今のスキルで5年後も求められるだろうか」という危機感が生まれにくくなってしまいます。
RPA(Robotic Process Automation)やAIの導入で、問い合わせ対応などの業務は今後減っていくかもしれません。しかし、そういったものの導入が進むほど、「戦略的なITの使い方」を提案できる人材が、ますます求められるようになっています。
現場対応だけに終始せず、情シスという役割を戦略的なものに進化させることが、個人にとっても組織にとっても有益になるでしょう。
情シスの未来像を描き、今やるべきことを決める
情シスは、単なる「運用管理の部門」から「企業の成長を支える部門」へと進化できる可能性を秘めています。そのためには、次の3つの視点がカギとなります。
1.守りの情シスから、攻めの情シスへ
システムを止めないことはもちろん重要ですが、それだけでは価値を生み出せません。
「会社の生産性を高める」「新しいIT活用を提案する」といった役割を担えば、情シスの立ち位置は大きく変わります。IT部門を「コストセンター」から「事業を伸ばす戦略部門」へと変えていきましょう。
2.今ある業務を最適化し、“考える時間”を確保する
戦略的なIT活用を考えるには、まず日々の運用・保守業務を効率化し、「考えるための時間」を生み出すことが必要です。
現状の業務を洗い出し、次の3つの視点で最適化を進めましょう。
なくす:形骸化している定例作業や、実は必要性の低いチェック業務などを思い切って廃止する。
減らす:対応頻度や処理ボリュームを削減する。例えば問い合わせ件数を減らすため、FAQやセルフサービス化を推進する。
外注する:専門業者や外部BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に委託できる業務を手放す。
こうした見直しは、単なる効率化ではなく、「情シスが本来やるべき業務」へリソースを集中させるための投資です。
例えば、ヘルプデスクや端末キッティングなどの定型作業を外部委託し、その分の時間を社内の業務改善提案やIT戦略立案に充てることも有効です。
詳しい業務効率化の考え方については、過去の記事「情シスの負担を減らす会社がやっているシンプルな工夫」が参考になります。
「ヘルプデスクではなく、IT戦略の提案者」になるための環境を、まずは自分から作ることを考えてみましょう。
3.新しいスキルを身につける
技術的な知識に加えて「経営×IT」の視点を持つことが重要です。
経営層とITをつなぐ役割を果たすため、業務改善やコスト最適化、データ活用などの知識を深め、「この会社がITで強くなる方法」を提案できるようになりましょう。
社内システムの抜本的な変更を行なったシステム部の事例
大日本塗料株式会社では社内システムの変更によって、システム部門の働き方も大きく変わりました。
変更のきっかけは、全国の拠点に置かれたおよそ1000台ものPC端末。各拠点に送る標準PCのキッティング作業がシステム部門の大きな負担になっており、また、それだけの数のPCに対するセキュリティ管理も課題となっていました。
そこでNutanixによる仮想デスクトップ環境を導入し、管理負荷を大幅に低減することに成功しています。
これによって無駄な残業なども減り、今後は企業のIT戦略にかかわる、より付加価値の高い業務へのシフトを図っていくとのことです。
参考事例:https://www.sojitz-ti.com/casestudy/dnt/
5年後の自分を、今つくる
まずは「5年後にどんな働き方をしていたいか」を描いてみましょう。
その上で、今の業務を整理し、戦略的な仕事に時間を割くための計画を立てます。そして、IT戦略を学び、企業の成長に貢献できるスキルを身につけましょう。
「いつか」ではなく、「今」動き出すことが、未来を変える第一歩。
情シスの未来は、あなたの選択次第です。
この記事を書いた人

- 小杉 明恵
- マーケティング担当として、Azureを中心に情報を発信しています。
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