毎日トラブル対応や問い合わせに追われて、気づけば定時を過ぎている――。

そんな状況が続くと、情シスのメンバーは疲弊し、

本来の業務に取り組む時間すら確保できません。

「うちは仕方ない」と諦める前に、一度立ち止まって見直してみませんか?

実は、ちょっとした仕組みの整備や業務の棚卸しによって、

日々の負担を確実に軽減している企業も存在します。

 

 

 

業務が集中する3つの原因とは

情シスの業務が常に忙しくなってしまう背景には、主に次のような原因があります。

まず1つ目は「属人化」です。

特定の人しか対応できない業務が増えると、その人に業務が集中し、他のメンバーはサポートしにくくなります。

属人化したタスクはブラックボックス化しやすく、引き継ぎや共有がうまくいかないため、ちょっとしたミスや抜け漏れが負担増につながります。

 

2つ目は「問い合わせが情シスに集中している」こと。

たとえば、Officeソフトの使い方やパスワードリセットなど、本来ならユーザー自身で解決できるような内容まで、すべて情シスが対応してしまっているケースがあります。

そのたびに作業を中断せざるを得ず、本来進めたい業務がどんどん後回しになってしまいます。

 

そして3つ目は「業務範囲・役割分担が曖昧」であることです。

誰がどの業務を担当すべきかが明確でないため、あらゆる問い合わせや依頼が情シスに流れてくる構造になっています。

特にトラブル発生時は、判断を仰がれる場面も多く、意図せず「何でも屋」のようなポジションになってしまいがちです。

 

 

情シスの負担を減らす4つの工夫

では実際に、どんな工夫をしている企業が情シスの負担軽減に成功しているのでしょうか。大きなポイントは次の4つです。

 

1.不要な業務の削減

現在担当している業務をすべて洗い出し、情シスが本来やるべき業務とそうでない業務に分類してみましょう。

その上で、FAQで済むような定型問い合わせはマニュアルやチャットボットに置き換え、自動化・効率化を進めていきます。

 

2.問い合わせ対応を減らす仕組みづくり

たとえば、よくある質問をまとめた社内FAQを整備したり、チャットボットを導入して自己解決を促す仕組みを用意したりすることで、

「なんでも直接情シスに聞けばいい」という文化を少しずつ変えていきましょう。

小さなことのように見えて、着実に問い合わせ件数を減らす効果があります。

 

3.業務の役割分担を明確にする

どの業務を誰が担当するかをあらかじめルール化して、社内でしっかり共有しましょう。

たとえば、「PCの初期設定は情シス、パスワードのリセットは総務」といったように区分けすることで、不要な問い合わせを減らすことができます。

 

4.外部リソースの活用

障害監視や深夜対応など、社内で対応するには負荷が大きい業務は、思い切って外注するのも一手。

すでにアウトソースしている企業も、定期的に体制を見直すことで、さらに効果的な運用ができる場合があります。

 

 

実際に変化を起こした企業の事例

A社:チャットボットで問い合わせを半減

A社の課題は、Officeソフトの使い方やプリンタのトラブルなど、毎日20件以上の問い合わせが情シスに寄せられていること。

そこでチャットボットを導入し、よくある質問を集約した結果、3か月で問い合わせが月40%も削減されました。

 

B社:業務の棚卸しで属人化を解消

古株の社員にしかできない業務が多く、B社では属人化が深刻な課題です。

業務フローの洗い出しと手順書の整備、引き継ぎ会の実施により、属人化業務の6割を削減。休職や退職による混乱も大幅に減少しました。

 

C社:業務分担とアウトソースで「情シスだけ対応」から脱却

C社では社内外の問い合わせや夜間対応まで、すべて情シスが担っていました。業務ごとの担当部署を明確化し、外部の監視サービスを導入。

これにより、情シス対応が月間30%、夜間対応は9割削減されたといいます。

 

 

今できる小さな見直しが、未来を変える

情シスの負担を軽減するために、いきなり大きな施策を打つ必要はありません。

まずは、自分たちの業務を整理し、「本当にやるべきこと」に集中できる環境を整えること。

次に、問い合わせの自己解決率を上げる仕組みを社内全体で整えること。

こうした一歩一歩が、働き方を見直す大きな変化につながっていきます。

業務の棚卸しと役割分担の見直しから始めてみませんか。

 

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この記事を書いた人

小杉 明恵
小杉 明恵
マーケティング担当として、Azureを中心に情報を発信しています。