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BCPの策定や見直しのhow to – ガートナー社が抑えておくべき3のポイントを発表


BCPとは、事業継続計画と呼ばれているもので、災害や緊急事態における企業や団体の事業を停止させないための計画/手段を指しています。

BCPはどの企業も準備しているものですが、いつくるか分からない災害や緊急事態、パンデミックからのレジリエンス、いわば事業復活にむけた回復力とここでは訳したいと思いますが、この回復力をどこまで担保しておくべきかというのは非常に難しいポイントだと思います。どうしても今目の前にあるチャンスにリソースを優先的に回したくなるものです。

そこで、今回はガートナー社が発表したBCPの策定、見直し時に抑えてた置きたい3つのポイントを発表されていたので、ご紹介したいと思います。

ガートナー社が提唱した3つのポイントが・・・

  1. 事業を優先順位付けし、合意を形成する
  2. 事業の完全停止を避け暫定的に継続させるための手順の作成/見直しを行う
  3. 「できること/できないこと」を整理し、ITに対する過剰な期待や誤解を解消する

1. 事業を優先順位付けし、合意を形成する

これから起こりうるリスクや危険性等の問題をしっかりと「事業」という単位で分けて考え、優先順位をつけていくことが重要になります。

回復に向けてどうするかといったリソースは無限に確保できる訳もなく、問題に同時に対処できる訳ではありませんので、優先順位をつける必要があります。

私の感覚としては、BCPは作ったものの、しっかりとそれをアップデートできているのか?という疑問があります。ドラスティックに事業が変わる企業はもちろん少ないですが、定期的に事業の優先度を確認することが非常に重要だと考えます。

もしかしたら、優先順位が低かった事業がわずかに中断しただけで大きな影響を与える可能性があるかもしれません。

2. 事業の完全停止を避け暫定的に継続させるための手順の策定/見直しを行う

BCPにおいて考えないといけないリスクに、例えばIT障害、自然災害、セキュリティインシデント、パンデミック、あるいは政治的不安といったものが挙げられるかと思います。

ガートナー社は自然災害を例に挙げて事業を完全停止を避けることの重要性を強調しています。

電気屋交通網のような社会インフラが停止することで、従業員の日常生活はもちろん、事業の肝となる流通やデータセンター(クラウド/オンプレ限らず)の機能が失われることで事業に大きな打撃を受けることになります。

レジリエンスを高めるためには、暫定的にでも事業を継続させ、受ける被害を最小限にするための計画を立てる必要があります。特に、今どきの事業はデータセンター等のITに大きく依存している傾向ではありますので、暫定的な事業回復に向けた手順をしっかりと策定しましょう。

こうしたITへの投資が、先に挙げたリストのIT障害やセキュリティインシデント、ひいてはパンデミックが発生した時にも有効な手段になりえます。

3. 「できること/できないこと」を整理し、ITに対する過剰な期待や誤解を解消する

IT的観点から、IT部門が求められているBCPにおける責任として、以下3つは実現したいとガートナー社は挙げています。

  • システム/サービスの継続的提供
  • 早期リカバリ
  • 新しいサービス作りと新興テクノロジの活用

詳しい内容は是非ガートナー社のページに行っていただきたいので、ここでは重要なポイントをピックアップします。

早期リカバリは、どのIT担当者であってもまず考える最優先事項ではないかと思います。そのため、どうやってリカバリするかはどのチームも手順を策定しているのではないでしょうか。一方で、訓練という形でDR手順を検証している企業はどれほどいるでしょうか。

ガートナー社での調査では、DRの訓練を定期的に行っている企業は、4割に満たないことが明らかになっています。また別の調査では、バックアップしたデータからリカバリをしたことがないと答えた企業が半数近く上がっています。

訓練やリカバリ手順を実施しない背景には、時間の問題なのか、リソースの問題なのか定かではありませんが、どれだけ最新の技術を使っていたとしてもIT資産は無敵ではありませんので、そういった過剰な期待や誤解は解消しましょう。

以上がガートナー社が挙げたBCPにおいて重要な3つのポイントでした。

直近でも各地で地震が起きている状況ですので、3つのポイントを意識してBCPの見直しすることをおススメします。


ガートナー社URL:Gartner、企業がBCPの策定や見直しのために押さえておくべき3つのポイントを発表

 

この記事を書いた人

森 信之介
テクニカルマーケターとして、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!