ChatGPTを使いこなす!活用例をご紹介
こんにちは、日商エレクトロニクスの鈴木です。
AI技術が日々進化する中で、OpenAIのChatGPTは特に注目を集めていますね。
ChatGPTを活用すると、多くの作業を効率化でき生産性向上につながりますので、この注目度の高さもうなづけます。
しかし、「企業ではどのように活用できるのか」「投資して効果が出るのか…」など活用イメージが付かないという方も少なくありません。
そこで今回は、ChatGPTで何ができるのか、レベル別の活用例をご紹介したいと思います!
こんな方におススメ
- ChatGPTの活用イメージがわかない
- もっとChatGPTを使いこなしたい
- ChatGPTでどこまでできるのか知りたい
目次
1. ChatGPTとは?
まずは、ChatGPTそのものについて簡単におさらいしましょう。
ChatGPTはOpenAI社が開発した人工知能のチャットボットです。
質問応答、文章作成、要約、翻訳、プログラミングの助けなど、幅広いテキストベースのタスクに対応しており、テキストの意図や文脈を理解し、それに応じた高品質な回答やコンテンツの生成が可能です。
LLM、生成AI…など様々な表現をされるChatGPTですが、どれもあっており、意味を区別して表現すると「GPTというLLMを用いた対話型の生成AI」となります。
①ChatGPTの得意領域
要約、翻訳、意訳
- 言語を限定せず、要約や意訳ができます。難解な文章を、小学生向けにより平易な言い方で解説する、などが可能です。
抽出、解析、分類
- 文章から、一定のキーワード、特定コード、連絡先などを抽出すること、長い文章の中を基に表を作成することなどができます。
プログラミング全般の支援
- 自然言語 to コード、コード to 自然言語、コード to コードなど、様々な変換が可能です。
- 言葉による指示からOpenAIやStripe APIを呼び出すコードを作成することもできます。
- ソースコードのバグを見つけて修正することも可能です。
文章の作成とアイデア出し
- 目的やターゲットから、広告テキストや商品名のアイディア出しができます。
- インタビューの構成、ブログの構成など大枠を作成することもできます。
特定人物の演技やモノマネ
- 特定の性格を持つチャットボットになったり、モノマネをすることが可能です。
その他
- 事実の基づく回答・・・歴史上の人物など事実に基づく回答を提供。(間違える場合もある)
- 第一人称を第三人称に変換・・・主人公視点から、他の登場人物の目線に変換して文章を書き直します。
…など
②ChatGPTの苦手領域
最新の情報
- モデルが訓練されたデータに含まれていない、最新の出来事や情報については答えられないことがあります。
高度に専門的な知識
- 特定の高度な専門分野に関する深い知識や最新の研究結果については詳しく答えられないことがあります。
個人情報の取り扱い
- ユーザーの個人情報を記憶したり処理したりする能力がありません。
2. 企業でのChatGPTの活用例
では、上記の特徴を持つChatGPTは、企業ではどのように活用できるのでしょうか?活用レベルを2つに分けて具体例をご紹介します。
レベル① 一般的な情報を活用する
もっとも基本的、かつ容易に始められるのが、一般的に公開されているAIサービスをカスタマイズせず使うことです。
ChatGPTはカスタマイズせずとも、人間としゃべっているような柔軟な受け答えや、人間レベルでの高度な文章作成を行うことができます。
このChatGPT の能力をシンプルに活用することで、業務が効率化する、というのがレベル①です。
活用例
- コンテンツ作成の効率化
- 箇条書きの文章をきれいに整える
- ブログなどの文章の書き出しを作る
- イメージ図やアイコンなどを生成する
- 類似サービスの比較表を作成する
- コーディング(SQL、Python、HTMLなど)
- ビジネスコミュニケーションの効率化
- ビジネスメールを作成する
- 言いたいことをビジネスチックに言い換える
- アイディアが浮かばない際の壁打ち役
- 交渉する相手になりきってもらい、レビューをもらう
- 顧客になりきってもらい、悩みを聞き出す
活用できるサービス
- ChatGPT
- Copilot(旧 Bing Chat / Bing AI)
注意点
- 設定によってはインプットした内容が学習されてしまうため、社外秘情報を入力しない等、情報漏洩に気を付ける必要がある
- 通信をクローズド(完全閉域)にするには設計構築を伴うカスタマイズが必要
レベル② 社内で保有する情報や特定の業界の情報などを利用
レベル②は、ChatGPTが持つ一般的な知識に加え、社内で保有する情報や特定の業界の情報などを利用するというものです。
社内データを使いますので、より目的に合わせた高度な活用が可能になります。
企業でAI活用をご検討される際に、ニーズとして最も多いのはこの使い方ではないでしょうか。
活用例
- 高度な問い合わせの効率化
- 社内手続きを理解したチャットボットによる自動QA
- 感情分析による対応時の優先順位付け
- 質問内容を見て、適切な対応をレコメンドする
- 数字に基づいたスキルアップ
- ハイパフォーマーの傾向分析
- 自社に特化した未来予測
- 在庫最適化
- 売上予測
活用できるサービス
- Azure OpenAI Service
- Azure Databricks
注意点
- 精度を向上させるためには、AIに学習させるデータ自体をきれいにする必要がある
- 経営企画部のみ、部長以上のみ、など閲覧制限のあるデータにはアクセス権をきちんと設定する必要がある
レベル②を目指すには、すでにあるChatGPTやCopilotでは実現が難しいため、環境構築が必要になります。
弊社では社内データを活用したAI導入のご支援が可能ですので、お困りの際にはぜひご相談ください。
3. ChatGPTの回答精度を向上させるコツ
①プロンプトを工夫する
ユーザー側で出力結果の精度向上のためにできる工夫が、プロンプトのコントロールです。プロンプトとは「ChatGPT に対する質問内容」であり、プロンプトの良し悪しで ChatGPT の出力結果は大きく変わります。
目的に合わせた出力を得るためにプロンプトの内容を工夫する方法については「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれます。
プロンプトエンジニアリングは ChatGPT を活用する上で重要なスキルと位置づけられています。
圧倒的な時短が可能になるプロンプト12選をご紹介したブログがありますので、ぜひチェックしてみてください。
②社内データについては、データのつなぎ込みやインデックスの設計をする
特に社内データを用いた際に精度向上を実現するために必要なのが、設計です。
ChatGPT 自体は既に学習済みのモデルですので、ある程度の精度を持った回答をくれます。
しかし、社内データを用いる際には、どのようにデータを与えるかにより ChatGPT の精度やコスト効率は変わってきます。
この社内データをうまく活用するためにまず必要なのが、インデックス化 です。
Word や Excel などのファイルに保持されている社内データをインデックス化して利用することで、文字数制限に対応しつつ、質問内容により近い情報へのヒット率向上や、回答生成の処理時間短縮を図ります。
また、設計以前に、そもそも学習させるデータが整備されていなければどんなに優秀なAIでも正確な回答を返すことはできません。
データのサイロ化が生じている際は、ChatGPT導入とともにデータ統合基盤の整備を進めていただく事をお勧めします。
関連記事:
Cognitive Search のベクトル検索のメリットとは?ChatGPTシステムと連携したデモで解説!
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?まとめると下記のようになります。
- ChatGPTは、”一般的な情報を活用する” レベル①と “社内情報も活用する” レベル②に分けられる
- レベル①では、コンテンツ作成の効率化、ビジネスコミュニケーションの効率化、アイディアが浮かばない際の壁打ち役などに活用できる。OpenAI社のChatGPTなど公開されているサービスで実現できる。
- レベル②では、高度な問い合わせの効率化、数字に基づいたスキルアップ、自社に特化した未来予測などに活用できる。Azure OpenAI Serviceなどを使った設計構築を行うと実現できる。
AI活用の事例はまだ少ないですが、Microsoft社がweb上で公開していますので、もしよろしければご参考ください。
Microsoft社公開の事例一覧 >
以上、ご参考になれば幸いです!
気になることがある際にはお問い合わせフォームもございますので、ご活用いただければと思います。
お問い合わせフォームはこちら >
よろしくお願いいたします。
この記事を書いた人
- 鈴木梨玖
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マーケティング担当の鈴木です。
VDIやDataAI製品を中心に、セミナー、ブログ、メルマガなどで情報を発信しています!
よろしくお願いいたします_(._.)_
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