Azure VMware Solution (AVS)の価格は?最小構成は?
Microsoft Azure上でVMware環境を利用できるサービス「Azure VMware Solution(AVS)」がリリースされました。
VMware環境のクラウド化をご検討されている方にとっては、移行先としてAzureのみならずAWS 、GCPなども比較していることと思います。
その中でも特に気になるのは。「価格」ではないでしょうか?
そこで、今回の記事ではAzure VMware Solution(AVS)ならではの価格メリットと、実際に導入する際に必要となるランニングコストについて解説していきます。
※Azure VMware Solution の概要詳細については、Microsoft登壇のオンデマンド動画にてご覧いただけます。
目次
1.そもそもAzure VMware Solution(AVS)って何?
Azure VMware Solution(AVS)は、Azure内でVMware vSphere環境を簡単に利用できるサービスです。
このAzure内のサービスとしてVMwareプライベートクラウド環境を利用することにより、現在自社で運用しているサーバーやソフトウェアなどの運用を全てクラウド上で行えるため、大幅な運用工数削減が可能となります。
マイクロソフトとVMwareは競合関係にあるため、このサービスを信頼・利用しても大丈夫なのかと思っている方は多いと思います。
実際、昔はそのような関係性だったようですが今では強力なタッグを組んでいます。Microsoft、VMwareの両社共にグローバルパートナーとして認定していますので、安心してご利用いただけます。
AVSの特徴について詳しくは下記のブログで解説しておりますので、ご参照ください。
>>「Azure VMware Solution(AVS) とは?3つのメリットをご紹介」はこちら
2.AVSならではの価格メリットとは?
Azure VMware Solution(AVS)を利用する最大のメリットは、Microsoft社ならではのサービスと連携した価格メリットです。
1)拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を無償で利用できる
拡張セキュリティ更新プログラム(英語表記:Extended Security Updates(ESU))とは、延長サポート期間終了後の対象製品に対して、最大3年間のセキュリティに関する更新プログラムのご提供が可能となるプログラムです。Azure VMware Solution(AVS)では、以下製品が対象となります。
- Windows Server 2012
- Windows Server 2012 R2
- SQL Server 2012
拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)について詳しくは下記をご参照ください。
>>「Windows Server 2012サポート終了対策について」
2)現在利用中のライセンスをそのまま利用できる(Azure ハイブリッド特典)
現在、オンプレミスで使用しているSA(ソフトウェアアシュアランス)付きの Windows Server および SQL Server ライセンスを、そのまま Azure VMware Solution(AVS)で使用できます。(Azure ハイブリッド特典)
さらに、移行中はひとつのライセンスでの同時利用も可能です。
3)1年または3年間の利用確約で大幅割引(予約インスタンス)
クラウドサービスと言えば、利用しただけ支払う月額制の料金体系が魅力的です。しかし、1年間または3年間の長期利用することを確約し、一括で支払うこもできるんです。その場合、長期割引が適用され、1か月ごとに支払う場合よりお得に利用することができます。
以上の価格メリットより、まず言えるのが、現在WindowsServerをメインで使用している企業の方はAzure VMware Solution(AVS)の価格メリットの恩恵を一番受けられることとなり、余分なコストがかからずそのまま丸ごとお引越しできます。
またこれらの特典をすべて利用することで、AWSの5分の1の費用で移行を実現できます。
3.Microsoftのサポート範囲が広いのも価格メリット
Azure VMware Solution(AVS)は全てMicrosoftが責任をもってサポートしており、何か問題が起きた際の問い合わせ窓口は常にMicrosoftです。AzureやVMware環境特有の事象を含むあらゆるレイヤーのインシデントにMicrosoftが対応します。仮にVMwareのサポートが必要となった場合でも、MicrosoftがVMwareのサポートと連携し両社のエンジニアが共同で問題を解決しますので、お客様にて切り分けなどの対応も一切不要です。
また、Azure VMware Solution(AVS)稼働に必要なVMwareライセンス(VMware vSphere、vSAN、vCenter、NSX、HCX)も基本料金に含まれているため、別途ライセンスを調達する必要もありません。
運用にかかる工数や、ライセンスの調達などの観点でもAzure VMware Solution (AVS)は、価格メリットがありそうです!
4.AVSの価格は?(最小構成で試算してみます)
1)AVSの最小構成
AVSは1つ以上のクラスターで構成、クラスター自体は3~16台のホストノードで構成する必要があります。縮小や拡張はホストノード単位で可能です。
つまり、AVSを最小構成で導入する場合は1クラスター、3ノードという構成になります。
現在、Azure VMware Solution(AVS)で選択できるインスタンスサイズは「AV36」で、1ノード分のスペックは下記のとおりとなります。
インスタンスサイズ | CPU | メモリ | フラッシュストレージ | NVMe キャッシュ |
AV36 | dual Intel 18 core 2.3 GHz |
576 GB | 15.36 TB | 3.2 TB |
※最新情報はこちらをご参照ください。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/azure-vmware/
2)ランニングコスト
「AV36」の1ノード辺りの費用は下記の表となります。
Microsoft Azureでは、インスタンスが割引になる制度があり1年、3年で予め予約しておくことで費用を抑えることができます。
時間単位 | 1年予約(34%割引) | 3年予約(53%割引) |
¥1,275.06/時間 | ¥903.33/時間 | ¥632.99/時間 |
※1 USD = 129.975 JPY
仮に30日(730時間*)Azure VMware Solution を3ノードで稼働させた場合、以下の費用となります。
時間単位の場合(割引なし):
(¥1,275.06/時間×30日(730時間))×3node=¥2,792,381.4/月額
1年予約インスタンスの場合(割引あり):
(¥903.33/時×30日(730時間))×3node=¥1,978,292.7/月額
3年予約インスタンスの場合(割引あり):
(¥632.99/時×30日(730時間))×3node=¥1,386,248.1/月額
また別途、通信量や、ネットワークの費用などは必要となりますのでその点はご注意ください。
しかし、この価格にはNSX-T、vSphere、vSAN、HCX Advanced の VMware ライセンスコストが含まれます。
上記でもご説明している通り、VMwareのサポート自体もMicrosoft が実施するため運用工数はだいぶ削減できるのではないでしょうか。
ぜひ、既存でDCなどを契約している場合はハードウェアのスペック/価格比較のみならず、VMwareライセンス/サポート、システムのサポートなども含め比較してみてください。
*Microsoft社の料金計算ツールの標準に合わせ30日を730時間で計算しています。
3)Azure IaaSの場合と比較してみた
AVSの費用をIaaS VMで構築した場合と比較してみました。
当社が提供しております>>IaaS価格シミュレーションで計算してみましたところ、一般的な構成スペック(4CPU、16GB MEM、512GB HDD)を前提とした場合、AVSの最小構成3ノード(3年予約インスタンス利用)の費用は、IaaS VM約35台の費用に相当します。 つまり、移行対象の仮想マシンが35台以上ある場合はAVSへ移行したほうが、コストメリットが出やすいと言えます。
5.AVS最小構成を無償で構築する方法
2023年11月現在、マイクロソフト社にてキャンペーンを実施しており、Azure VMware Solution(AVS) も対象となっております。2024年3月までの期間限定にAzure VMware Solution(AVS)最小構成の構築費用が、なんと「無償」です。
構築費用=無償(2024 年3 月まで)
最小構成限定なので、検証をやってみたい方にはピッタリのキャンペーンです。
\期間限定にて無償構築/
価格のみならず「性能など確認したい」「オンプレにあるVMware環境の棚卸から始めたい」などご要望ございましたら、弊社にてご支援いたしますのでぜひお気軽にご相談ください!
この記事を書いた人
- Azure導入支援デスク 編集部
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