クラウドの利用が一般化する中で、自社のIT基盤をMicrosoft Azureをはじめとしたクラウド環境へ移行する企業が増えています。
この記事では、Microsoftが提供する「Microsoft Azure」のVMware vSphere サービスである、Azure VMware Solution(以下、AVS)をArc for AVSによりAzureポータルから簡単に管理する方法の概要や機能について詳細に解説します。
目次
1.Arc for AVSとは
Azure Resource Managerを利用しAzure PortalからAVS vCenterのインベントリを管理し、さらにAVS vSphere上の仮想マシンにAzureの機能を提供するサービスです。2022/5/30現在、Arc for AVSはパブリックプレビューの機能になります。
2.Azure VMware Solution(AVS)の管理
AVSは、Microsoftが提供する「Microsoft Azure」のサービスの一つであり、Microsoft Azureのデータセンターで提供されるフルマネージドなVMware vSphere環境を数クリックで使えるサービスです。
そのAVSを管理するためには、AVSデプロイ時に自動展開されるvCenterやNSX-T Managerを使用することおよび、Azure Portalのデフォルトの機能を使用することになります。それに加え、Arc for AVSを使用することでAzure PortalからAVS vCenterのインベントリの確認および、仮想マシンのデプロイなどが可能になります。
Azure VMware Solution 概要資料
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3.各管理サービスの比較
AVS vCenter | AVSがマネージドサービスであるため、全ての操作を実行することはできないが、cloudadminの権限で実行できる範囲内でAVS vSphereに対して従来のvCenterと同様の操作が可能である。 |
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AVS NSX-T Manager | NSX-Tのネットワーク仮想化を管理する機能を持つアプライアンスであり、AVS vSphereに対してNSX-Tの設定操作が可能である。 |
Azure Portal (Arc for AVS無し) | Azure PortalからAVS vSphereに対して、セグメントの追加、ポートミラーリング、アフィニティルールなどの設定をすることが可能である。 |
Azure Portal (Arc for AVS有り) | Azure PortalからAVS vSphereに対して、vCenterのインベントリ管理、仮想マシンの管理、仮想マシンへ拡張機能のインストール、仮想マシンのバックアップなどを行うことが可能である。 |
4.Arc for AVSのオンボーディング
Arc for AVSのオンボーディングをするためには、下記手順を行う必要があります。
1.Microsoft Azureのサブスクリプションでサービスプロバイダーを登録します。
2.vCenterと疎通性のある端末でスクリプトを実行しArcリソースをデプロイします。
3.下記リソースをAzure Portalから確認できるようになります。
上記の簡単なオンボーディングプロセスでArc for AVSの利用を開始することができます。
5.Arc for AVSでAVSの仮想マシンを管理
1.vCenterに登録されている仮想マシン、ネットワークやクラスタなどのインベントリを確認することができます。
2.Arcでインベントリを管理するために、Azure対応を有効化します
3.仮想マシンの基本情報やデプロイに使用するテンプレートの設定および、CPU/メモリ/ディスク/ネットワークの設定を行い仮想マシンをAVSへデプロイします。
4.下記のとおり仮想マシンがAVSにデプロイされArcによりAzure Portalで管理できる状態になっていることを確認できます。
5.Azure PortalでAVS仮想マシンの設定変更を行うことができます。
6.まとめ
この記事では、Azure VMware Solutionの導入を検討されている方向けに、Arc for AVSの機能などについてご紹介しました。
Arc for AVSを導入することでAzure PortalからvCenterのインベントリを確認することができ、Azure PortalからAzure VMware Solutionの仮想マシンのデプロイや管理をすることが可能になります。また、Azure Portalから一元管理することに加え、Azureの拡張機能を使用することができるようになります。
今後もAzure Portalから管理できる要素が増えていく見込みなので、Azure VMware Solutionを導入する際に検討することをおすすめします。
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この記事を書いた人
- 三浦 空