はじめに

Azure Bastionは、Azure仮想マシン(VM)への安全なRDP/SSH接続を提供するPaaSサービスです。Bastionを利用することで、パブリックIP不要、ブラウザベース接続が可能になります。今までのBastion SKUは利用に費用が発生していましたが、Bastion Developerという無料のSKUが追加されました。
Bastion Developerの利点、他のSKUとの違いを見ていきながら利用方法を紹介します。

利点

・無料で利用できる
※2025/11時点での料金情報
 価格 – Azure Bastion | Microsoft Azure

一番安価なBasic SKUでも一か月利用すれば2万円ほどの課金が発生しますがBastion Developerは無料で利用できます。

・セットアップが簡単
専用の AzureBastionSubnetが不要で、作成も簡単。

主な制限事項

・同時接続数が1
2台以上の仮想マシンに同時にアクセスすることができません。

・vNetピアリングに非対応
ピアリングされた仮想ネットワークを跨いで仮想マシンにアクセスできません。

その他機能比較

Developerの他のSKUの機能比較表を作ってみました。

機能 Developer Basic Standard Premium
Azure Key Vault で Linux VM のプライベート キーにアクセスする
SSH を使用した Linux VM への接続
RDP を使用した Windows VM への接続
RDP を使用した Linux VM への接続 × ×
SSH を使用した Windows VM への接続 × ×
カスタム受信ポートの指定 × ×
Azure CLI を使用して VM に接続する × ×
ホストのスケーリング × ×
ファイルのアップロードまたはダウンロード × ×
Kerberos 認証 ×
共有可能リンク × ×
IP アドレスを使用して VM に接続する × ×
VM オーディオ出力
コピー/貼り付けを無効にする × ×
セッションの記録 × × ×
プライベート専用のデプロイ × × ×

Bastion Developerを使ってみる

では実際にBastion Developerを作成して、利用してみましょう。

Developerも他のSKU同様にBastionsより作成します。
[基本]タブの設定値よりレベルをDeveloperを選択し設定します。

[詳細設定]タブのBastionの機能はDeveloper SKUの制限通りで変更することはできずグレーアウトされています。

タグの設定などしない場合はそのまま[確認および作成]タブへ移動しデプロイします。
デプロイも素早く1分もかからず完了します。

別途仮想マシンtestVM1とtestVM2を用意し、作成した「basdev」を用いて仮想マシンにアクセスします。仮想マシンにアクセスするよう設定したユーザー名、パスワードを入力しログインします。

仮想マシンtestVM1に接続できました。画面下部に同時接続は1台の警告が表示され画面が少し圧迫されてしまいます。

これはDeveloper SKUの仕様で警告を消すことはできません。
全画面表示にしても同様に表示されます。

それではtestVM1に接続した状態でtestVM2に接続してみましょう

testVM2には問題なく接続できましたが、testVM1は接続が切断されました。
Developer SKUの仕様通りとなります。

活用と考慮事例

・開発やテストでの活用
開発やテストで接続する必要のある仮想マシンに対してパブリックIPアドレスを一時的に付加して接続していた場合が多くあったかと思います。今後はBastion Developer SKUを利用することでパブリックIP不要で仮想マシンに気軽に接続ができます。

・Basic SKUからの変更でコスト削減ができる
Basic SKUで月約2万の費用が発生していましたがDeveloper SKUは無料です。Basic SKUを利用していた環境で同時接続が不要、vNetピアリング接続が不要であればDeveloper SKUの利用を検討しコスト削減が期待できます。

・本番環境ではどうする?
本番環境利用ではStandard SKUやPremium SKUを推奨します。Standard SKU以上ですとファイルのアップロード/ダウンロードが可能で仮想マシンへのデータ連携が容易になります。また、Premiumのみの機能として仮想マシンの操作を記録する機能もあります。

まとめ

制限事項を理解した上でニーズに合わせたBastionのSKUを選択して、利用いただければと思います。
この記事が、皆さんのAzure利用の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

Azure支援デスク 管理者
Azure支援デスク 管理者
双日テックイノベーション(旧:日商エレクトロニクス)特設サイト「Azure導入支援デスク」サイトマスターです。