目次
はじめに:なぜ今、ハイブリッドクラウドなのか?
「ハイブリッドクラウド」という言葉を最近よく耳にするけれど、具体的にどんなものか、どう役立つのか、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか?
簡単に言うと、ハイブリッドクラウドとは、社内にあるサーバー(オンプレミス)と、インターネット経由で利用するクラウドサービスを組み合わせて使う仕組みです。
これまで、多くの企業はオンプレミス環境でシステムのすべてを管理していました。しかし、現代のビジネス環境はめまぐるしく変化しています。
- 新しいサービスの素早い立ち上げ
- 急なアクセス増への対応
- テレワークの導入
- BCP(事業継続計画)の強化
これらに柔軟に対応するためには、オンプレミス環境だけでは限界があります。
かといって、すべてのシステムをいきなりクラウドに移行するのも、セキュリティやコストの面で不安が残るでしょう。
そこで注目されているのが、
オンプレミスの安定性とクラウドの柔軟性を両立するハイブリッドクラウドなのです。
ハイブリッドクラウドがもたらす具体的なメリット
ハイブリッドクラウドは、企業に多くのメリットをもたらします。
メリット1:コストの最適化
- 柔軟なコスト管理:
- 基幹システムや機密性の高いデータなど、常に稼働しているシステムはオンプレミスで安定的に運用し、コストを予測可能にします。
- 一方で、アクセスが変動するWebサービスや、一時的に大量のリソースが必要となる開発環境などはクラウドを利用し、使った分だけ支払うことで無駄なコストを削減できます。
メリット2:セキュリティの強化とコンプライアンス順守
- データ保護のコントロール:
- 企業にとって非常に重要な個人情報や機密性の高いデータは、オンプレミスで厳重に管理し、自社のセキュリティポリシーを適用できます。
- クラウドを利用する際には、クラウドの強固なセキュリティ機能を活用し、クラウド側のセキュリティも確保できます。
- コンプライアンスへの対応:
- 業界によっては、データの保管場所(オンプレミスまたはクラウド)や、特定の国・地域でデータを管理することが法律で義務付けられている場合があります。
- ハイブリッドクラウドなら、こうしたコンプライアンス要件に柔軟に対応できます。
メリット3:事業継続計画(BCP)の強化
- 災害・障害への備え:
- 万が一、社内のデータセンターが災害などで被害を受けた場合でも、クラウドにデータをバックアップしておけば、事業を継続できます。
- 災害時にはクラウドにシステムを切り替えることで、迅速な復旧が可能になります。
- 高可用性の確保:
- 一部のシステムをクラウドで稼働させることで、オンプレミス環境に障害が発生しても、サービスを停止させずに済みます。
メリット4:開発・運用の効率化
- 迅速な開発環境の構築:
- 開発チームが新しいアプリケーションを試す際、オンプレミスでサーバーを用意する手間なく、クラウド上で短期間で環境を構築できます。
- 開発が終われば、その環境をすぐに削除できるため、コストも抑えられます。
- 一元的な管理:
- オンプレミスとクラウドをまたいだ管理がスムーズになる製品を利用することで、システム管理者の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できるようになります。
まとめ:ハイブリッドクラウドは新しい「選択肢」
ハイブリッドクラウドは、すべてのシステムをクラウドに移行する「オールクラウド」とは異なり、
企業の状況に合わせて最適なITインフラを柔軟に構築できるという新しい選択肢です。
ハイブリッドクラウドを実現するための具体的なテクノロジーについて知りたい方は、以下記事もぜひ参考にしてください。
>>参考記事:初めてのハイブリッドクラウド!AzureとNutanixの組み合わせで何ができる?を見る
この記事を書いた人

- 小杉 明恵
- マーケティング担当として、Azureを中心に情報を発信しています。
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