Windows10をVDI化するメリットと注意点
昨今のテレワーク・リモートワーク化の流れの中で、社内のwindows10をVDI化(デスクトップ仮想化)しようか検討している担当者の方もいるでしょう。
ただ、「そもそもVDI化ってどういう意味?」「windows10をVDI化するときに気を付けなきゃいけないポイントって?」そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はそういった方へ向けて、windows10のVDI化についてメリット・注意点などを詳しく解説していきます。
この記事を読めば、windows10のVDI化についての理解が深まり、会社が受ける恩恵・手間などを考慮した上で導入を検討できるでしょう。
1.昨今の働き方の大きな味方 デスクトップ仮想化(VDI)
昨今の働き方改革や大型感染症の影響によって、テレワーク・リモートワーク化が加速しています。そういった流れが加速するにしたがって、VDI化の需要も高まっています。
そもそもデスクトップ仮想化(VDI)とは、サーバーに仮想のデスクトップ環境を複数構築し、リモート端末からそれぞれの仮想のデスクトップにアクセスして操作する方法です。
デスクトップ仮想化では、社内のデータを物理的に持ち出さないので、セキュリティの安全性が担保されます。こういった特徴から、テレワーク・リモートワーク化の流れの中で、VDI化が注目されているのです。
2.社内のwindows10環境をVDI化するメリット
そもそも「windows10環境をVDI化する」とはどういうことかというと、サーバー内にwindows10環境の仮想デスクトップを作成するということです。そのデスクトップ環境に、社員の各端末から接続して、アプリケーションの起動などの操作を行います。
ここでは、こういった社内のwindows10環境をVDI化するメリットについて解説します。
使用するデバイスによってディスプレイを最適化
windows10環境をVDI化した環境では、使用するデバイスに合わせてディスプレイを最適化できます。
なぜなら、windows10環境にはデバイスによってディスプレイを最適化してくれるContiniumという機能が備わっているからです。
具体的にいえば、リモート端末がPCであればPC用のディスプレイを、タブレット端末であればタブレット端末用のディスプレイを同一のデスクトップ環境で再現できます。
OSによってはデバイスによってディスプレイを最適化できない場合があるので、windows10環境はVDI化に最適なデスクトップ環境だといえるでしょう。
システム運用コストの削減
VDI化を導入することで、システム運用コストを削減できます。
なぜなら、VDI化によってデスクトップ環境を1つのサーバーで、一元的に管理することが可能になるからです。
具体的にいえば、管理者は端末1つ1つを管理する必要がなくなり、リモート端末を利用する社員は煩わしいアプリケーションのアップデートなどの手間から開放されます。
デスクトップ環境管理の一元化によって、システム運用コストが削減されるだけではなく、作業効率が上がり生産性の向上も期待できるでしょう。
セキュリティが強化され情報漏えいのリスクが減る
VDI化によってセキュリティが強化されて、情報漏えいのリスクが減ります。
なぜなら、VDI化したときのリモート端末には、仮想デスクトップに保存されたデータが残らない仕様になっているからです。
通常、社内の端末を持ち出してリモートワークに活用すれば、端末が第三者に盗まれたときに社内データが漏えいする危険性があります。
また、リモート端末から仮想デスクトップに接続する際にセキュリティの高いVPN接続を利用することで、情報が盗み見されたり、搾取されたりすることもなくなります。
自宅や出先で仕事をする際に怖いのが、何といっても社内データの漏えいです。
そういったリスクを潰して安心してテレワーク・リモートワーク化を進められるのが、VDI化(デスクトップ仮想化)の導入なのです。
3.windows10環境をVDI化する際の注意点
テレワーク・リモートワーク化においてメリットの多いwindows10環境のVDI化ですが、もちろん注意しなければいけない点もあります。
ここでは、windows10環境をVDI化する際の注意点を2点挙げます。注意点についてもしっかり理解した上で、VDI化を導入するかどうかを検討すると良いでしょう。
パフォーマンスの低下の危険
windows10環境をVDI化することによって、パフォーマンスが低下する可能性があります。
なぜなら、VDI化したwindows10のデスクトップ環境は、社員がそれぞれ使用するデスクトップ環境とは実行環境が違うからです。
具体的には、アプリケーションを起動した際に動作が重くなったり、アプリケーションのとある機能が使えなくなったりする減少が起こり得ます。
VDI環境でアプリケーションのパフォーマンスを落とさないためには、パフォーマンスの低下を常に監視し、問題が起こった場合に改善することが求められます。
例えば、「SysTrack」というワークスペースアナリティクス製品では、こういったVDI環境下での問題の詳細を継続的に把握し、最適化に役立てることができます。
こういったツールなども利用しながら、パフォーマンスの低下、そしてその原因を把握することが必要不可欠です。
グラフィックリソースが過大消費
windows10環境をVDI化することによって、グラフィックリソースが過大消費されます。
なぜなら、そもそもwindows10はグラフィックリソースを大量に消費する設計になっているからです。グラフィックリソースが過大消費されてしまうと、パフォーマンスの低下を引き起こしてしまいます。
例えば、windows10で動画の再生を行うとCPUに重い負担がかかります。グラフィックリソースの対策を行わないままVDI化を導入すると、こういった状況下で動作が重くなってしまう可能性があります。
windows10の仮想デスクトップ環境下でグラフィックリソースの過大消費を防ぐには、GPUの導入が欠かせません。GPUとは、グラフィックの描画処理を専門に行うプロセッサのことです。
GPUがあれば動画の再生などを行っていても、通常どおりに操作を行うことができます。
4.まとめ
今回は、windows10のVDI化についてメリット・注意点などを詳しく解説してきました。
本記事の要点は、以下のとおりです。
●VDI化とは、サーバーに仮想デスクトップ環境を構築し端末からアクセスする方法
●社内のwindows10環境にVDI導入するメリット
●windows10環境をVDI化する際の注意点
この記事を参考にして、windows10のVDI化についての理解を深め、会社が受ける恩恵・手間などを考慮した上で導入を検討しましょう。
この記事を書いた人
- Azure導入支援デスク 編集部
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