1.VMware Cloud on AWSとは
VMware Cloud on AWS は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)で稼働するVMware のコンピューティング、ストレージ、ネットワーク仮想化の製品 (VMware vSphere、VMware vSAN、VMware NSX) を提供するサービスです。
オンプレミスにて大量のVMware製品の環境を持っている企業は、インフラHW/SWのパッチ適用、バージョンアップ、社内システムのリプレースや移行など様々な運用作業に負荷がかかっているかと思います。
VMware Cloud on AWSを活用し、基盤をクラウドに持っていくことでハードウェア及びソフトウェアに関してVMware社、AWS社の管理のもとで運用されるため、作業負荷を削減することができます。
● VMware Cloud on AWSで既存Windows Serverライセンスを利用できるか
実は、以前は既存のWindows ServerをAWS上に持ち込むことができたのですが、2019年秋にMicrosoftから新しく発表があり現在は注意が必要になりました!
その内容とは・・・、
2019 年 10 月 1 日より前に購入したWindows Server ライセンス
⇒VMware Cloud on AWS に持ち込みOK!
2019 年 10 月 1 日以降に購入したWindows Server ライセンス
⇒VMware Cloud on AWS または AWS に持ち込みNG!
では、既存のWindows Serverライセンスが新しい場合、また追加したい場合はどうすればいいのか。
この場合に関して、VMwareとMicrosoftは新しいアドオンサブスクリプションサービスを発表しました。お客様はVMware経由で新しいライセンスを購入する必要があります。
2.VMware Cloud on AWSの利用費用は高い?
上記のように、Windows Serverライセンスに関してはMicrosoftによるライセンス利用の制限がかかっています。そのため、AWS上でVMware環境を利用するとライセンス部分で費用が高くなってしまう可能性があります。実際に、Microsoft社がWebサイトに記載している内容によりますと、Windows Server と SQL Server 向けでは、AWS は Azure と比べて 5 倍のコストがかかるとのことです。参考
実はMicrosoft Azureを利用した方がお得かも!
一方で、Microsoft Azureの場合は、ソフトウェア アシュアランス付きの Windows Server ライセンスと SQL Server オンプレミス ライセンスを Azure に持ち込める特典があります。VMware Cloud on AWSと同じように、Microsoft Azure上でもVMware製品を利用できる「Azure VMware Solution」サービスがあるので、既存ライセンスを活用したい方はMicrosoft Azureの方がメリットがあります。
● Azure VMware Solutionとは
Azure VMware Solutionは、提供しているサービスの内容や機能はほぼVMware Cloud on AWSと変わりません。しかし、VMware Cloud on AWSの場合は、VMware環境をAWSが管理/運用しません。Azure VMware Solutionの場合、VMware vSphere環境の運用、維持、サポートはMicrosoftが行います。お客様はVMwareのライセンスを別途購入/持ち込む必要もなく、Azure VMware Solutionの利用料だけをお支払いするだけでOKです。
VMwareの問い合わせもMicrosoftへ行います。窓口が一本化されるのでとても便利ですね!
Azure VMware Solution について詳しく知りたい方はこちら
● Azure VMware Solution 3つの料金メリット
①既存ライセンスを持ち込んでお得になる
ソフトウェア アシュアランス付きの Windows Server ライセンスと SQL Server オンプレミス ライセンスを Azure に持ち込み、クラウド移行することができます。
②更新プログラム 無償で提供してくれる
Windows Server と SQL Server 2008 および 2008 R2 のワークロードを Azure 仮想マシンに移行すると、無料でセキュリティ更新プログラムの延長が受けられます。
社内で利用しているアプリ環境の問題で、2008を利用せざるを得ないお客様も無償で安心して利用を継続することができます。
③年間予約すると割引になる
1 年または 3 年契約の予約価格で前払いすると、Azure VMware Solutionの利用料金が割引されます。予算の見通しが立てやすくなるだけでなく、ビジネス ニーズの変化に応じて柔軟に交換またはキャンセルすることもできるのでご安心ください。
3.まとめ
今回は、VMware Cloud on AWS で既存のWindows Serverライセンスを利用できるか?についてお伝えしました。Microsoftのライセンス利用条件が変更になったので、今後VMware 環境のクラウド移行をお考えの方は、Azureに移行した場合と比較検討してみることをオススメします!
-
- 2019 年 10 月 1 日以降に購入したWindows Server ライセンス
は、VMware Cloud on AWS または AWS に持ち込みできない! - Azure VMware Solutionであれば既存ライセンスを活用でき料金メリットもある!
- 2019 年 10 月 1 日以降に購入したWindows Server ライセンス
この記事を書いた人
- Azure導入支援デスク 編集部
-
こんにちは!双日テックイノベーション(旧:日商エレクトロニクス)では、Microsoft Azure活用に関する有益な情報を皆様にお届けしていきます。Azure移行、データ活用、セキュリティなどに関するお困りごとや、Microsoft Azureに関する疑問点などお気軽にご相談ください。
ブログにしてほしいネタなどのリクエストもお待ちしております。
この投稿者の最新の記事
- 2024年9月12日ブログ2024年版 最新のデータ活用基盤とは?グローバル企業の事例も紹介!
- 2024年7月16日事例Azureデータ活用基盤導入事例:第一フロンティア生命保険株式会社
- 2024年3月27日ブログデータレイクとは? ~DWHとの違い、メリット、活用例などをわかりやすく解説~
- 2024年3月6日ブログデータカタログとは?~機能、導入のメリット、導入方法まで解説~